わが女房は単純というのだろうか、『水戸黄門』『暴れん坊将軍』『大岡越前守』のような勧善懲悪のテレビドラマを好んで観ている。
こうしたドラマは途中経過を楽しむものかもしれぬが、私にしてみれば、結果の見えているこのようなドラマは物足りない。それに、ヒーローを演ずる役者、悪代官を演ずる役者が固定されているのも面白くない。
将軍・殿様には多くの美女が侍っているから代々整った顔をしているのは理解できる。美男俳優が演じるのは当然であろう。だが時代劇に限らず、一部の作品を除いて悪役その他が固定されているキャスティングには興味を失う。
『ある年齢に達したら自分の顔に責任を持て!』ともいわれるが、輪郭・目鼻立ちは生まれつきのものであるからどうにもならぬ。そして、人間性とその人の顔の造作とは直接関係がない。ドラマでもそうあって欲しい。キャスティングに当たっては、顔に捉われず、性別・年齢と演技力で決めたら面白い作品ができるのではないか?
そうした配役で観客を満足させるには、演出家も役者も、並大抵ならぬ努力が必要だとは思うのだが・・・。