とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

幻の将棋「中将棋」のこと(2)

2010年10月21日 | もっと文化を!そして歴史を!
本日午前中、小雨の中、年長者学級の講座に、ふるさと島本案内ボランティアの一員として参加しました。水無瀬神宮を朝10時に出発、みなさんとともに郷土の歴史に思いを馳せながら町内を歩き、お昼前にサントリー山崎蒸留所で解散しました。戸田は、平成20年の12月に発掘調査され、後鳥羽上皇の水無瀬離宮に関連する建造物の遺構と判断された「広瀬・国木原(くぬぎはら)遺跡」解説を担当しました。

さて、前回に引き続き、中将棋について、中将棋連盟会長・武田穣氏の講演をもとにご紹介します(文責:戸田)。

中将棋は、大胆な走り駒が多いうえ、取り駒が使えないこともあって、終盤にあっという間に駒が取られてしまう可能性が高いそうです。そのことから、駒をチームで展開、スクラムを組んで動かさないといけないといわれています。ここが最大の面白みですが、なにせ駒の総数92枚、現代社会においては若干時間がかかり過ぎる(2時間~3時間)のが難点です。

一方で、取り駒が使えないので盤上の展開は次第にシンプルになっていきます。これは有難いかもしれませんが、駒の動きが多種多様で覚えるのに相当の苦労がいる!という現実(先入観)があります。「盲虎」(もうこ:前以外どこでもいける)は「飛鹿」(ひろく)になり、「猛豹」(もうひょう:横以外の6方向へ一マス)は「角行」(本将棋と同じ)になり・・・う~ん複雑多様!!!

「麒麟」は「獅子」に、「鳳凰」は「奔王」(ほんおう・ほんのう:チェスのクイーンに匹敵)に、「龍王」は「飛鷲(ひじゅう)に、勇ましいことこのうえない個性的な駒が、それぞれの威力を発揮し、迫力に満ちた対局が展開されます(金銀の動きも覚えられないのに、知ったことを言い^^)。これはゲーム世代に向いている?!と感じます。

中将棋においてもっとも特徴的とされるのは「獅子」。なんと動かし方が3つもあるというのです。島本町教育委員会が作成したルールブックを参考にご紹介します。このルールブックは、非常にわかりやすく、シンプルにまとめられています。

蛇足ですが、「中将棋セミナー」当日はNPO再生塾のセミナーと重なってしまい、「町の行事」があり欠席とメンバーに告げました。すると、ある方が「個人的なお願いで恐縮。実は将棋ファン。中将棋セミナーへの参加を楽しみにしていた。再生塾のセミナーと重なり残念。当日配布されるルールブックを入手していただけないか。中将棋のルールブックは貴重」とのメッセージが届きました。

島本町の、あるいは将棋連盟のホームページで、今回の催しを知っておられたようです。「将棋」を縦軸にした町の元気UP!に、成功の芽をみたようで元気が出ました。さて、最強の駒「獅子」をご紹介しましょう。

「獅子」
1)全方位に一マス=玉将(王将)と同じ動き
2)全方位に二マス。そのとき相手駒が隣接する一マス目にあっても飛び越せる
3)玉将(王将)の動きが一手で2回続けて可能
  ・1)と1)、あるいは1)と2)の組み合わせ⇒敵駒2枚獲得可能
  ・1)で敵駒を獲得し元のマス目に戻る
     結果的に元のマス目にいながら敵駒を取るので「居食い」と呼ばれる
  ・敵駒のいない1)のマス目に動き、元のマス目に戻る=一手で往復
     結果的に動かないことになり「じっと」と呼ばれます=パスと同効果

図解なしでは理解しにくいものの、とにかく「獅子」は中将棋の花形と呼ばれる豪快な駒。序盤で盤上から消えてしまうと後々の展開がつまらなくなるので、「獅子」を盤上に残しておくための特別なルールが工夫されています。これは次回に譲りますが、先人の智恵と遊び心に感服します。

任天堂ゲームが世界を駆け巡っていますが、従来、日本人にはこういった想像&創造力で「ソフト」を開発する国民性があるのでしょうか。中将棋は、「ルールはあるが戦法はまだ整備されていない将棋」ということです。しかも過去にも現在にもプロ棋士が存在しません。

21世紀に相応しいゲームと信じ、この島本町で地道に地域密着で復興しましょう。このゲームを愉しみ、地域が人でつながることが町の幸せへの一歩。その環境を丁寧に創造することが大事です。戸田は、円高や景気に左右されない地域力!で、島本町の元気UPに務めます。

画像は、水無瀬神宮
この奥に後水尾天皇が愛された「灯心亭」(重要文化財)があります(一般非公開)
左手にある「客殿」(重要文化財)は神宮に現存するもっとも古い建物で、
豊臣秀吉寄進と伝えられています

「客殿」では、23・24日の華道「洗心流献花展」の活け込み準備と
「中将棋公開記念対局」の打ち合わせが同時に行われていました
「文化の秋」は生涯学習課にとって「イベント・トライアスロン」!