一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

0.046875

2019-01-16 00:05:08 | 将棋雑記
日付変わって今日16日は、A級順位戦7回戦・糸谷哲郎八段VS阿久津主税八段の一戦がある。阿久津八段はここまで0勝6敗。8日には久保利明王将VS深浦康市九段の一戦があり、久保王将が勝って3勝目を挙げた。よってこの時点で2勝以下は稲葉陽八段(2勝4敗)と深浦九段(1勝6敗)になり、阿久津八段が降級を免れるためには、この2人に落ちていただくよりなくなった。
そして10日の稲葉八段VS佐藤康光九段戦は佐藤九段の勝ちに終わり、阿久津八段はまた首の皮一枚繋がったのである。
ではここで、阿久津八段A級残留の可能性を計算してみよう。
まず、阿久津八段の残り3戦全勝は絶対条件だから、その確率は8分の1。このうち8回戦の稲葉八段戦は直接対決なので、稲葉八段の1敗も同時にカウントされる。稲葉八段は最終戦も負けるとすると、確率は16分の1。
いっぽう、現在1勝の深浦九段は、阿久津八段から見て、もう1勝の余裕がある。すなわち

8回戦● 9回戦● セーフ
8回戦○ 9回戦● セーフ
8回戦● 9回戦○ セーフ
8回戦○ 9回戦○ アウト

の4パターンが考えられ、4分の3がセーフだ。よって16分の1×4分の3=64分の3。つまり0.046875、約4.7%が阿久津八段の残留確率となる。……というのが私の計算だが、これで合っているだろうか。
こうしてみると、意外に残留の可能性が高い。私は1%以下だと思っていた。
いずれにしても阿久津八段は、今日勝たなければダメである。もし勝てば残留確率は9.3%になり、負ければA級順位戦16連敗という、不滅の記録を更新することになる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

十五世名人から十九世名人までの5棋士とタイトル戦で戦った棋士はいるか

2019-01-15 01:05:22 | 将棋雑記
2016年12月に加藤一二三九段が藤井聡太四段と対戦した際、珍記録が生まれた。すなわち、19世紀生まれの棋士から21世紀生まれの棋士まで対局したのである。藤井現七段は2002年生まれ、19世紀生まれの棋士は村上真一八段(1897年生)、野村慶虎七段(1899年生)だった。
では、十五世名人の大山康晴から、十九世名人の羽生善治九段まで、5人の永世名人すべてとタイトル戦を戦った棋士はいるか、ちょっと考えてみた。
真っ先に思い浮かぶのは米長邦雄永世棋聖である。永世棋聖は若いころから第一線で活躍したから、多くの永世名人と対局していそうである。

大山康晴十五世名人…第11期王位戦など6回
中原誠十六世名人…第23期王将戦など20回
谷川浩司十七世名人…第44期棋聖戦など2回
森内俊之十八世名人…なし
羽生善治十九世名人…第52期名人戦

惜しい! 森内九段(十八世名人)との対戦がない。
他の棋士を考えていると、突然、森雞二九段が閃いた。森九段は羽生九段と王座戦で対戦している――。

大山十五世名人…第30期棋聖戦
中原十六世名人…第36期名人戦など2回
谷川十七世名人…第29期王位戦など2回
森内十八世名人…なし
羽生十九世名人…第43期王座戦

残念、やはり森内九段戦がない。考えてみれば森内九段はタイトル戦登場が25回で、永世名人の中では少ない。対戦相手も羽生九段が16回に上り、他の棋士とほとんど当たっていないのだ。
おおそうだ、大御所の加藤一二三九段を考えてみる。

大山十五世名人…第7期十段戦など8回
中原十六世名人…第32期名人戦など9回
谷川十七世名人…第41期名人戦
森内十八世名人…なし
羽生十九世名人…なし

やはりダメである。その他、二上達也九段、有吉道夫九段、内藤國雄九段、大内延介九段、桐山清澄九段などのベテラン陣は、十五世名人、十六世名人とのタイトル戦はあるものの、以下が続かない。
ほかのベテラン九段でタイトル戦の常連といえば、南芳一九段がいた。南九段は第15期棋王戦で大山十五世名人と対戦している。対森内九段戦は期待できないが、ほかの永世名人とも対戦しているのではないか?

大山十五世名人…第15期棋王戦
中原十六世名人…第54期棋聖戦
谷川十七世名人…第14期棋王戦など3回
森内十八世名人…なし
羽生十九世名人…第16期棋王戦

こちらも森内九段を除く4永世名人と対局している。
なお羽生前竜王との棋王戦は羽生前竜王が勝ち、ここから2018年12月まで、羽生九段の長い長い戴冠が始まるのである。

昭和後期の棋士デビューだと、大山十五世名人との対戦がない。参考までにこちらを抜きにすると、中原十六世名人と対戦した、高橋道雄九段、屋敷伸之九段が浮かぶ。
しかしやはり、コンプリートはない。

・高橋九段
中原十六世名人…第50期名人戦
谷川十七世名人…第12期棋王戦など3回
森内十八世名人…なし
羽生十九世名人…第21期棋王戦

・屋敷九段
中原十六世名人…第55期棋聖戦など2回
谷川十七世名人…なし
森内十八世名人…なし
羽生十九世名人…第42期王位戦

以降デビューの棋士は、中原十六世名人とのタイトル戦もない。
参考までに、名人経験者の佐藤康光九段と丸山忠久九段を記しておこう。

・佐藤九段
谷川十七世名人…第31期王位戦など3回
森内十八世名人…第75期棋聖戦など2回
羽生十九世名人…第6期竜王戦など20回

・丸山九段
谷川十七世名人…第59期名人戦
森内十八世名人…第60期名人戦
羽生十九世名人…第47期王座戦など2回

結論。大山十五世名人から羽生十九世名人まで、すべてタイトル戦で戦った棋士はなし。
4人なら、米長永世棋聖、森九段、南九段の3棋士が該当した。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女流棋士出身地一覧・2019年版

2019-01-14 00:36:26 | 女流棋士
当ブログでは2015年7月16日に「女流棋士出身地一覧」を書いた。今回は3年半ぶりに、改訂版を掲げてみる。

カロリーナ・クリスティーナ・ステチェンスカ女流1級…ポーランド・ワルシャワ
中井広恵女流六段…北海道稚内市
久津知子女流二段…北海道札幌市
和田あき女流初段…北海道札幌市
渡部愛女流王位…北海道帯広市
石高澄恵女流二段…北海道江差町
高群佐知子女流四段…秋田県大曲市
加藤結李愛女流2級…宮城県仙台市
渡辺弥生女流初段…新潟県南魚沼市
真田彩子女流二段…福島県いわき市
井道千尋女流初段…石川県珠洲市
甲斐智美女流五段…石川県七尾市
山下カズ子女流五段…石川県鹿西町
田中沙紀女流3級…石川県金沢市
千葉涼子女流四段…富山県中新川郡
山田久美女流四段…群馬県太田市
関根紀代子女流六段…群馬県前橋市
加藤圭女流2級…茨城県日立市
本田小百合女流三段…茨城県水戸市
宮宗紫野女流二段…茨城県古河市
長沢千和子女流四段…長野県松本市
矢内理絵子女流五段…埼玉県行田市
野田澤彩乃女流1級…埼玉県川越市
藤森奈津子女流四段…埼玉県志木市
中村桃子女流初段…埼玉県入間市
谷川治惠女流五段…埼玉県
清水市代女流六段…東京都東村山市
上田初美女流四段…東京都小平市
石橋幸緒さん…東京都小金井市
安食総子女流初段…東京都武蔵野市
伊藤沙恵女流二段…東京都武蔵野市
中倉彰子女流二段…東京都府中市
中倉宏美女流二段…東京都府中市
貞升南女流初段…東京都府中市
香川愛生女流三段…東京都狛江市
飯野愛女流初段…東京都世田谷区
蛸島彰子女流六段…東京都杉並区
相川春香女流初段…東京都杉並区
塚田恵梨花女流1級…東京都杉並区
船戸陽子女流二段…東京都渋谷区
伊藤明日香女流初段…東京都渋谷区
竹俣紅女流初段…東京都港区
早水千紗女流三段…東京都目黒区
北尾まどか女流二段…東京都目黒区
頼本奈菜女流1級…東京都目黒区
寺下紀子女流四段…東京都大田区
多田佳子さん…東京都大田区
藤田綾女流二段…東京都大田区
高橋和女流三段…神奈川県藤沢市
中村真梨花女流三段…神奈川県藤沢市
竹部さゆり女流三段…神奈川県逗子市
斎田晴子女流五段…神奈川県横須賀市
小高佐季子女流2級…千葉県佐倉市
礒谷真帆女流初段…千葉県習志野市
伊奈川愛菓女流初段…千葉県木更津市
鈴木環那女流二段…千葉県富津市
大庭美夏女流初段…静岡県沼津市
大庭美樹女流初段…静岡県沼津市
加藤桃子奨励会初段…静岡県牧之原市
中澤沙耶女流初段…愛知県一宮市
脇田菜々子女流2級…愛知県一宮市
室田伊緒女流二段…愛知県春日井市
藤田麻衣子さん…愛知県豊田市
北村桂香女流初段…京都府宇治市
藤井奈々女流1級…京都府宇治市
里見香奈女流王座・女流名人・女流王将・倉敷藤花…島根県出雲市
里見咲紀女流初段…島根県出雲市
山口恵梨子女流二段…鳥取県東伯郡
村田智穂女流二段…兵庫県高砂市
長谷川優貴女流二段…兵庫県明石市
石本さくら女流初段…大阪府吹田市
岩根忍女流三段…大阪府大阪市
高浜愛子女流2級…大阪府大阪市
林まゆみさん…大阪府堺市
西山朋佳女王(奨励会三段)…大阪府大阪狭山市
谷口由紀女流二段…大阪府大阪狭山市
山田朱未女流二段…岡山県玉野市
植村真理女流三段…香川県高松市
鹿野圭生女流二段…香川県高松市
山根ことみ女流初段…愛媛県松山市
坂東香菜子女流初段…広島県因島市三庄町
上川香織女流二段…広島県呉市下蒲刈島
神田真由美女流二段…福岡県北九州市
林葉直子さん…福岡県福岡市
水町みゆ女流2級…福岡県福岡市
宇治正子さん…福岡県大牟田市
武富礼衣女流初段…佐賀県佐賀市
島井咲緒里女流二段…高知県南国市
堀彩乃女流2級…高知県
山口絵美菜女流1級…宮崎県都城市
森安多恵子女流四段…鹿児島県霧島町

以上、91人。1都1道2府26県1ポーランドである。
2015年は76人記載したが、そのうち26人の肩書が変わっていた。皆さんほぼ昇級昇段して素晴らしい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山十五世名人の、タイトル戦初対戦の棋士との戦績

2019-01-13 00:20:52 | データ
昨年11月18日の記事で、タイトル戦初登場の棋士の「対大山康晴十五世名人との戦績」を調べたが、今日はその姉妹編で、「大山十五世名人の、タイトル戦初対戦の棋士との戦績」を調べてみた。

1948年 第7期名人戦 大山康晴八段 2千4 塚田正夫名人
1950年 第9期名人戦 大山康晴八段 2-4 木村義雄名人
1950年 第1期九段戦 大山康晴九段 2-0 板谷四郎八段
1951年 第2期九段戦 大山康晴九段 3-0 南口繁一八段
1953年 第2期王将戦 大山康晴名人 4-3 丸田祐三八段
1953年 第12期名人戦 大山康晴名人 4-1 升田幸三八段
1955年 第4期王将戦 大山康晴王将 4千千1 松田茂役八段
1955年 第14期名人戦 大山康晴名人 4-2 高島一岐代八段
1956年 第15期名人戦 大山康晴名人 4-0 花村元司八段
1959年 第10期九段戦 大山康晴九段 4-3 二上達也八段
1960年 第19期名人戦 大山康晴名人 4千1 加藤一二三八段
1964年 第4期棋聖戦 大山康晴棋聖 3-2 関根茂七段
1964年 第5期棋聖戦 大山康晴棋聖 3-0 本間爽悦七段
1965年 第14期王将戦 大山康晴王将 4-1 加藤博二八段
1965年 第24期名人戦 大山康晴名人 4-1 山田道美八段
1965年 第6期王位戦 大山康晴王位 4-0 佐藤大五郎七段
1966年 第7期王位戦 大山康晴王位 4-1 有吉道夫八段
1967年 第8期王位戦 大山康晴王位 4-1 大内延介六段
1968年 第13期棋聖戦 大山康晴名人 1-3 中原誠棋聖
1969年 第18期王将戦 大山康晴王将 4-0 内藤國雄八段
1969年 第10期王位戦 大山康晴王位 4千2 西村一義五段
1970年 第29期名人戦 大山康晴名人 4-1 灘蓮照八段
1970年 第11期王位戦 大山康晴王位 4-1 米長邦雄七段
1976年 第28期棋聖戦 大山康晴棋聖 3-1 桐山清澄八段
1977年 第30期棋聖戦 大山康晴棋聖 3-1 森雞二八段
1989年 第15期棋王戦 大山康晴十五世名人 0-3 南芳一棋王

以上、26名の棋士と戦って、22勝4敗。やはり、初めて交えた棋士には滅法強かった。ちなみに、22勝はいずれも防衛、4敗はいずれも挑戦者としてだった。

2回以上の対戦成績を記しておく。

大山 15-5 升田実力制第四代名人
大山 4-16 中原十六世名人
大山 18-2 二上九段
大山 7-1 加藤一九段
大山 4-2 米長永世棋聖
大山 2-2 塚田名誉十段
大山 4-0 有吉九段
大山 3-1 内藤九段
大山 3-0 丸田九段
大山 2-1 山田九段
大山 1-1 木村十四世名人
大山 2-0 松田九段
大山 2-0 高島九段
大山 2-0 花村九段

タイトル戦登場112回、うち獲得80期。たいていの棋士に勝ち越しているが、目の上のタンコブだったのが中原十六世名人で、4勝16敗。勝負事にタラレバは意味がないが、もし中原十六世名人がいなかったら、大山十五世名人の記録はどこまで伸びていたのかと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

清麗戦創設について思うこと

2019-01-12 00:50:48 | 女流棋戦
昨年、あまり目立たなかったが、女流7番目のタイトル戦、ヒューリック杯清麗戦の創設は大きなニュースだった。
同棋戦の最大の目玉は優勝賞金700万円で、マイナビ女子オープンと女流王座戦の同500万円を上回る。一気に女流最高棋戦に躍り出たのだ。
この棋戦のもうひとつの特徴は、奨励会員とアマの参加を見合わせたこと。奨励会員では現在、西山朋佳奨励会三段が女王のタイトルを持っているが、それさえも認めなかった。
私はこのルールに賛成である。最近では奨励会員やアマの参加が当然になってきているが、本来プロ棋戦はプロのみが出られるもの。やはりプロ同士のバトルを見たいのである。
ためしに、すべての女性の参加を認めた、2011年創設の女流王座戦の歴代タイトル保持者を見てみればいい。第1期の加藤桃子奨励会初段から始まって、第7期の里見香奈奨励会三段(女流五冠)まで、すべて奨励会員が戴冠しているのだ。私がスポンサーだったら、こんな結果はイヤである。タイトル名と実態がかけ離れてしまっている。
奨励会員の参加を認めたマイナビ女子オープンもここ数年は似たようなもので、女流棋士の影が薄くなっている。清麗戦は後ろ向きの形にはなるが、女流棋士のスター誕生を目論んだもので、私は大いに支持したい。
その対戦形式だが、一言で言うと、「6勝通過、2敗失格」らしい。今年の参加人数は62人で、仮にこれをトーナメントとすると、タイトル保持者の里見女流四冠と渡部愛女流王位をシードにして、これ以上はないというくらいの、綺麗な表が完成する。
よって私は、竜王戦1組のようなトーナメント表を想起した。第1期の本戦出場は4人らしい。となれば、31人の山を2つ用意し、優勝者2人と敗者復活戦の勝ち上がり2人で戦わせればピッタリである。
ところが日本将棋連盟の対戦表を確認すると、リーグ表形式になっており、各女流棋士7回戦まで用意されている。これは勝っても負けても7局指せる、ということなのだろうか。2回戦以降の相手が発表されていないことから、スイス式かもしれない。
いずれにしても、確実に6~7局指せるのなら、対局数の少ない女流棋士にとって、このシステムは朗報であろう。そしてそれなら、アマや奨励会員の参加を認めなかったのも、分かる気がする。ゲストに何日も拘束させるわけには行かないからだ。
7日には清水市代女流六段と谷口由紀女流二段の開幕戦が指された。決勝五番勝負は8月予定とのこと。熱い戦いを期待したい。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする