一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

清麗戦創設について思うこと

2019-01-12 00:50:48 | 女流棋戦
昨年、あまり目立たなかったが、女流7番目のタイトル戦、ヒューリック杯清麗戦の創設は大きなニュースだった。
同棋戦の最大の目玉は優勝賞金700万円で、マイナビ女子オープンと女流王座戦の同500万円を上回る。一気に女流最高棋戦に躍り出たのだ。
この棋戦のもうひとつの特徴は、奨励会員とアマの参加を見合わせたこと。奨励会員では現在、西山朋佳奨励会三段が女王のタイトルを持っているが、それさえも認めなかった。
私はこのルールに賛成である。最近では奨励会員やアマの参加が当然になってきているが、本来プロ棋戦はプロのみが出られるもの。やはりプロ同士のバトルを見たいのである。
ためしに、すべての女性の参加を認めた、2011年創設の女流王座戦の歴代タイトル保持者を見てみればいい。第1期の加藤桃子奨励会初段から始まって、第7期の里見香奈奨励会三段(女流五冠)まで、すべて奨励会員が戴冠しているのだ。私がスポンサーだったら、こんな結果はイヤである。タイトル名と実態がかけ離れてしまっている。
奨励会員の参加を認めたマイナビ女子オープンもここ数年は似たようなもので、女流棋士の影が薄くなっている。清麗戦は後ろ向きの形にはなるが、女流棋士のスター誕生を目論んだもので、私は大いに支持したい。
その対戦形式だが、一言で言うと、「6勝通過、2敗失格」らしい。今年の参加人数は62人で、仮にこれをトーナメントとすると、タイトル保持者の里見女流四冠と渡部愛女流王位をシードにして、これ以上はないというくらいの、綺麗な表が完成する。
よって私は、竜王戦1組のようなトーナメント表を想起した。第1期の本戦出場は4人らしい。となれば、31人の山を2つ用意し、優勝者2人と敗者復活戦の勝ち上がり2人で戦わせればピッタリである。
ところが日本将棋連盟の対戦表を確認すると、リーグ表形式になっており、各女流棋士7回戦まで用意されている。これは勝っても負けても7局指せる、ということなのだろうか。2回戦以降の相手が発表されていないことから、スイス式かもしれない。
いずれにしても、確実に6~7局指せるのなら、対局数の少ない女流棋士にとって、このシステムは朗報であろう。そしてそれなら、アマや奨励会員の参加を認めなかったのも、分かる気がする。ゲストに何日も拘束させるわけには行かないからだ。
7日には清水市代女流六段と谷口由紀女流二段の開幕戦が指された。決勝五番勝負は8月予定とのこと。熱い戦いを期待したい。
コメント (3)
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