一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

十五世名人から十九世名人までの5棋士とタイトル戦で戦った棋士はいるか

2019-01-15 01:05:22 | 将棋雑記
2016年12月に加藤一二三九段が藤井聡太四段と対戦した際、珍記録が生まれた。すなわち、19世紀生まれの棋士から21世紀生まれの棋士まで対局したのである。藤井現七段は2002年生まれ、19世紀生まれの棋士は村上真一八段(1897年生)、野村慶虎七段(1899年生)だった。
では、十五世名人の大山康晴から、十九世名人の羽生善治九段まで、5人の永世名人すべてとタイトル戦を戦った棋士はいるか、ちょっと考えてみた。
真っ先に思い浮かぶのは米長邦雄永世棋聖である。永世棋聖は若いころから第一線で活躍したから、多くの永世名人と対局していそうである。

大山康晴十五世名人…第11期王位戦など6回
中原誠十六世名人…第23期王将戦など20回
谷川浩司十七世名人…第44期棋聖戦など2回
森内俊之十八世名人…なし
羽生善治十九世名人…第52期名人戦

惜しい! 森内九段(十八世名人)との対戦がない。
他の棋士を考えていると、突然、森雞二九段が閃いた。森九段は羽生九段と王座戦で対戦している――。

大山十五世名人…第30期棋聖戦
中原十六世名人…第36期名人戦など2回
谷川十七世名人…第29期王位戦など2回
森内十八世名人…なし
羽生十九世名人…第43期王座戦

残念、やはり森内九段戦がない。考えてみれば森内九段はタイトル戦登場が25回で、永世名人の中では少ない。対戦相手も羽生九段が16回に上り、他の棋士とほとんど当たっていないのだ。
おおそうだ、大御所の加藤一二三九段を考えてみる。

大山十五世名人…第7期十段戦など8回
中原十六世名人…第32期名人戦など9回
谷川十七世名人…第41期名人戦
森内十八世名人…なし
羽生十九世名人…なし

やはりダメである。その他、二上達也九段、有吉道夫九段、内藤國雄九段、大内延介九段、桐山清澄九段などのベテラン陣は、十五世名人、十六世名人とのタイトル戦はあるものの、以下が続かない。
ほかのベテラン九段でタイトル戦の常連といえば、南芳一九段がいた。南九段は第15期棋王戦で大山十五世名人と対戦している。対森内九段戦は期待できないが、ほかの永世名人とも対戦しているのではないか?

大山十五世名人…第15期棋王戦
中原十六世名人…第54期棋聖戦
谷川十七世名人…第14期棋王戦など3回
森内十八世名人…なし
羽生十九世名人…第16期棋王戦

こちらも森内九段を除く4永世名人と対局している。
なお羽生前竜王との棋王戦は羽生前竜王が勝ち、ここから2018年12月まで、羽生九段の長い長い戴冠が始まるのである。

昭和後期の棋士デビューだと、大山十五世名人との対戦がない。参考までにこちらを抜きにすると、中原十六世名人と対戦した、高橋道雄九段、屋敷伸之九段が浮かぶ。
しかしやはり、コンプリートはない。

・高橋九段
中原十六世名人…第50期名人戦
谷川十七世名人…第12期棋王戦など3回
森内十八世名人…なし
羽生十九世名人…第21期棋王戦

・屋敷九段
中原十六世名人…第55期棋聖戦など2回
谷川十七世名人…なし
森内十八世名人…なし
羽生十九世名人…第42期王位戦

以降デビューの棋士は、中原十六世名人とのタイトル戦もない。
参考までに、名人経験者の佐藤康光九段と丸山忠久九段を記しておこう。

・佐藤九段
谷川十七世名人…第31期王位戦など3回
森内十八世名人…第75期棋聖戦など2回
羽生十九世名人…第6期竜王戦など20回

・丸山九段
谷川十七世名人…第59期名人戦
森内十八世名人…第60期名人戦
羽生十九世名人…第47期王座戦など2回

結論。大山十五世名人から羽生十九世名人まで、すべてタイトル戦で戦った棋士はなし。
4人なら、米長永世棋聖、森九段、南九段の3棋士が該当した。
コメント (2)
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