薄紅色の石楠花が咲き誇る鎧坂と「金堂」の奥深い味わいのある「室生寺」ポスターを何度眺めたであろう。幅が狭い石が組まれた鎧坂は「女人高野」と呼ばれた「室生寺」に相応しい雰囲気をかもしだしている。今も参拝者の8割が女性だそうだ。残念ながら、石楠花の花はないが、木漏れ日を浴びながら、鎧坂を一歩一歩登っていくと左手に「「弥勒堂」、正面に「金堂」が並ぶ。「金堂」には釈迦如来・薬師如来・十二面観音像など5仏が、安置されていて、その前には薬師如来の十二神将(従者?)が、ややユーモラスなポーズをとっている。1メートルぐらいの小さな像であるが、にぎやかに動き回っている感じがする。私も自分の干支の像を探してみた。
「本堂」には、室生寺の本尊が安置されているが、思いのほか小さくて、暗くて、写真のように、きれいに見えないのが残念。
朱塗りの柱と白壁が、美しい室生寺の「五重塔」も、石段と石楠花が似合うようだ。平成10年の台風で、塔の屋根が破壊されたが修復され、今美しい姿を見せてくれる。折角来たのだからと(もう二度と来られないかも?)おもい、奥の院まで足を延ばす。五重塔から、450段程の急勾配の石段を昇り始める。大木の杉木立がうっそうと林立する参道を、ゆっくり昇っていくと「御影堂」と「常燈堂」があり、木々の間に見下ろすと、山里深い佇まいが、眺められる。長年の夢がかない、はるばるやって来ましたよ。
夏の暑い盛り、観光客が少ない分、ゆっくり楽しめたがやはり本命は「シャクナゲの室生寺」でしょう。