ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

シーボルトミミズ

2021-11-01 14:56:19 | 動物

 シーボルトミミズ Pheretima sieboldi (Horst) は、フトミミズ科 Megascolecidae フトミミズ属 Pheretimaで、体長は40cmにも達する日本最大のミミズの一つと言われる。長崎出島のオランダ商館つきの医師として滞在したシーボルト(Philipp Franz von Siebold)がオランダに持ち帰った標本で新種記載されたもので、日本固有のミミズで初めて学名をつけられたものである。
 シーボルトミミズは、中部地方以西の太平洋側に分布し、紀伊半島、四国、九州南部では比較的普通に見られ、四国でカンタロウ、紀伊半島でカンタロウ、カブラタ、カブラッチョ、九州ではヤマミミズ等と呼ばれている。山林に生息し、季節によって大きく移動することも知られている。秋には斜面から谷底に向けて移動が行われる。また、寿命は2年で、2年ごとに全個体が一斉に卵から孵化し、一斉に死亡するという全く世代の重ならない生活を送っているという。体色は濃紺色だが、表皮には虹色の構造色があることが知られており、光線の角度に応じて緑や青、オレンジ色に輝く不思議なミミズである。

 今回、和歌山県古座川町小川地区にある林道を歩いていると、山側から谷に向かって這っている体長40cmほどのシーボルトミミズに出くわした。本種を見るのは初めてで、太陽光線で鮮やかな青緑色に輝く姿に驚き、記録として何枚か撮影した。

参考文献

  1. 宮本潔, 小作明則:ミミズ、ゴカイ(環形動物)を彩る表皮繊維構造, 形の科学会誌, 20,(2005), pp.167-168.
  2. 小作明則 , 宮本潔:環形動物表皮に観察される構造色 , 形の科学会誌 , 17, (2002), pp.121-122.

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

シーボルトミミズの写真

シーボルトミミズ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/100秒 ISO 200(撮影地:和歌山県 2021.10.29 8:10)

シーボルトミミズの写真

シーボルトミミズ
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 500(撮影地:和歌山県 2021.10.29 8:10)

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