8月末までは、主にこれまで撮ることができなかった自然風景や撮り直しも含めた昆虫写真の撮影でスケジュール表が埋まっており、5月末までは、必ずしも予定通りではなく、また自己満足の範囲ではあるが、それなりの結果は出してきた。スケジュール的には、今月と来月がメインで、ホタルの観察と撮影を中心としてチョウやトンボ等の写真撮影を予定しているが、ホタル以外は、なかなか予定通りには進んでいない。天候と発生のタイミングもそうだが、予定したにも関わらず、間際で取りやめていることが多い。
撮りたい被写体はほとんどが遠方のため、1度の遠征でいくつもの被写体をセットにすることが多い。今回は、当初、車中泊で大阪にてチョウを撮影し、その夜は岐阜でホタル。そのまま富山まで移動して早朝からチョウ、夜はホタル。徹夜走って帰宅。という計画を立てていたが、実際は、あまりに無謀過ぎる計画で、当日まで迷ったが、単独行動では熊の出没が怖く、撮り直しできる確証もないとの言い訳を自身にして、結局は午前3時に自宅を出発し、愛知でトンボの生息環境視察、岐阜で陸生ホタルの探索とトンボ撮影、夜はゲンジボタルの観察と撮影を済ませ、岐阜を22時に出発し、途中で3時間の仮眠で帰宅するという計画を大幅に縮小したものとなった。それでも、朝帰りした当日は、一日中、睡魔との戦いでRAW現像も進まなかった。
このような遠征は、数年前までは平気で行っていたが、やはり還暦になると気力と体力が落ちている。特に、徹夜や極端な睡眠不足が続くと、かなり応える。熊に襲われることもなく、安全運転で事故なく帰って来るには、"欲張り過ぎず、無理のない計画"が大切だが、結果が出せなければ悔しい。それに遠方に何度も通うほど資金もないのが辛いところだ。
今回の遠征での愛知県におけるトンボの生息環境視察は、見ただけで終わり。岐阜で陸生ホタルの探索も発見できず生息地を見ただけで終わり。時間が余ったので予定していなかった場所でのトンボ撮影は、"ただ撮っただけのトンボ写真"である。「この種の図鑑的写真を撮りたい」「この種のこうした生態写真を撮りたい」という目標もなく、細かく観察したわけでもない「そこにいたから写した」だけの写真。昔はそれだけでも楽しかったが、今は虚しさを感じる。例えば、このトンボの図鑑写真を撮るという目的ならば、レンズや撮り方の工夫もしただろう。或いは交尾や産卵のシーンを撮るという目的ならば、その時期や時間帯に訪れただろう。そうではなく撮ったことに感情と目的の欠如を感じ、空しいのである。
- 撮影したトンボ種類
- コヤマトンボ/Macromia amphigena amphigena Selys, 1871
- グンバイトンボ/Platycnemis sasakii Asahina, 1949
- ハッチョウトンボ/Nannophya pygmaea Rambur, 1842
- ヤマサナエ/Asiagomphus melaenops (Selys, 1854)
- アオサナエ/Nihonogomphus viridis Oguma, 1926
今回の遠征での主目的は、岐阜県郡上市和良町のゲンジボタルの観察であった。4月に伺った際、幼虫の上陸が少なかったことから、成虫の発生状況を確認することで、写真撮影は二の次。できればもう一度伺い、その結果とともに来週以降に記したいと思う。その遠征計画もかなり欲張りの内容としたが、今度は何とか頑張りたい。
以下のサムネイル写真は、1920×1280ピクセルで投稿しています。サムネイルにカーソルを合わせると種名が表示され、写真をクリックすると別窓で拡大表示されます。
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