幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 生命は生まれながらにして在るのに

2012-03-20 13:48:22 | Weblog

 
 
  太陽が昇って
 
  光が強くなり
 
  ぼくは歩きながら
 
  すずめ、鳩、ヒヨドリ、カラスを見つめる
 
  花開いた紅白の梅、まだ咲かない桜、ヒマラヤ杉を見つめる
 
  それらは生きていて、美しい
 
  人間ともすれ違うが、それらには、美しくない人もいる
 
  高級外車が道幅いっぱいに
 
  僕にすれすれに、スピードも緩めずに通り過ぎる

  それに乗っているサングラスを掛けた男は醜い
 
  太陽は輝き、美しい光が降り注いでいるが
 
  その男には、その光の煌めきはまったく見えない
 
  ぼくには、それがわかる
 
  美とは無縁な人間が存在している
 
  鳥や木々の生命に
 
  まったく気づかない人間が街に溢れている
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 

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