幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 時間がまだあるってことは、いいことだ

2012-12-12 01:24:22 | Weblog

 
 
  まだ時間があるってことは、いいことだ
  なぜなら、やがて時間がなくなる時がくるから
 
  まだどこも壊れていないってことは、すばらしく誇らしいことだ
  なぜなら、やがて完全なものはなにもなくなる時がくるから
 
  もっとも弱いものが、存在を許され
  なにもひとりでできないものが、生きていること
  優秀でないもの、不完全なものが、沢山存在していること
  それが、目下の僕が感じる最大の脅威だ
 
  自然界は完璧な美だが
  人間だけが醜悪を作った
  なぜなら、人間だけが醜いから
  自分は完璧だと勘違いした醜い人間
 
  あなたのどこが美しいのだろうか?
  自分は完璧だと思っているあなたのどこが
 
  もうすぐ時間がなくなるってことにも気づかずに
  自分が刻々と壊れていっていることにも気づかない
 
  でも僕は、そのことに気づいている
 
  だから、とても悲しい
  
  醜くなりたくない
 
  でも、まだ少しでも、時間があることに感謝する
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 






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