幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 真夏のむし暑い夜

2008-08-15 01:36:32 | Weblog

 

 異常の地上の砂上の楼閣
 
 四角い大きなビルの死角
 
 大きい柔らかい雲が湧き上がる
 
 真夏の白昼
 
 成層圏で上映中
 
 観客ゼロの大気圏内に
 
 雨を降らせるかと思いきや
 
 ゴロゴロと遠くに雷雲とどろかせただけで
 
 ぽつぽつと雨粒が2,3滴
 
 焼けたアスファルトの上で蒸発
  
 ジリジリと蝉のような耳鳴り
 
 機械的、短音的
 
 吸い込まれるように眠くなり
 
 ふらふらと時間が夢遊し
 
 我を忘れている
 
 え?
 
 今、なにしてた?

 ぼく
 
 さっきまで考えていたんだ
 
 つっかえて言葉にならなかったのに
 
 急に油をひいたようにするする滑って
 
 時間が死に向かって加速して自由落下していく
 
 OK
 
 そこにある地獄はぼくの趣味で修飾されている
 
 きっと居心地いい独房
 
 ドゥユノーミー?
 
 ワットアイミーン?
 
 形容詞と動詞を組み合わせてみてくれよ
 
 そうしたら明日
 
 ぼくの見る夢はきみの夢
 
 へヴィーでハードなきみのスーツ
 
 その外しかたわからないから
 
 きみが欲しい
 
 バッド・バッド・ソーバッド
 
 だって明日は続いている
 
 終わりなき過去へと
 
 永遠の繰り返しの始点
 
 だから迷路でまたきみにも出会うだろう
 
 ぼくを覚えておいて
 
 こんなになってたこと
 
 覚えておいて
 
 もう二度と会えないだろうから
 
 そのときまでは
 
 絶対に二度と
 
 きみをさがさないって誓うよ
 
 夜の空港のターミナルのはずれ
 
 むし暑い夜だったよね
 
 まるでデジャヴュがただの思いつきだったような
 
 窒息しそうな空気の熱に
 
 汗をかいていたのは君の肌から伝うプライドだった
 
 それを見ていたぼくの脚に視線を落として
 
 きみは目を細めて遠くを見た
 
 夜間飛行の警告灯の点滅
 
 雲もうっすらと快晴の夜空に流れていた
 
 満月だった
 
 つまり
 
 決して降参しっこないということ
 
 そうだろ?
 
 
 
 
 

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