幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

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しおかぜのにおい

2014-08-11 03:31:47 | Weblog

ずいぶんひさしぶりだね。

ぼくは、息ができない。

だから、もう3日くらい頭に血が上ってる。

それも、いい。

明日が来なければいいのに。

そればかり。

たしかに、死なんて怖くはない。

生のほうがよっぽど大変。

イージーじゃないんだよ。

夢見るようには、簡単には生きられない。

人生は短く、芸術は長い。なんて、

時間のある人の言う言葉。

僕の時間は、金で売ってる。

とっても安い金で。

時給にしたら1000円ってとこか。

随分安い命。

だから、

残りの余生を時給に直して、

だれか、

買ってくれよ。

10時間×1000円=1日 1万円
×300日 300万円
×10年=3000万円

随分高いな。

3000万円で

僕の余生を自由にしてくれよ。

だれか、

慈善事業の人。

そうしたら僕は、

寝ていられる。

ズーと10年間

息を潜めて

朦朧とした夢を見ながら

時々起きては、

少しの食事をし、

風呂には入る

清潔のまま

死体になりたいから

時々は

夢とあの世が交錯する。

また、ごく稀には、

あの世とこの世が交錯する。

倒錯した思考に混じるノイズ

そいつが唯一外部から入る情報だったりする。

だから、コンピュータ・ネットワーク上の

文字の羅列なんて

陳腐だね。

変化しないものは

幻想じゃない。

唯一

僕の脳みそが暴走する

放電のイマジネーションに

放心しているときのみ

僕は僕を忘れられる。

それを君にも味わってもらえたらって

どんなにか思う。

僕のペニスを剥き出しにして

君に清潔な皮膚を

愛撫してもらいたい。

そのとき僕は

目をつぶって

夢を見られる。

あなたの

やさしい欲望を感じながら

死臭の漂う

未知の土地を旅する

見たこともない民族

聞いたこともない言語

そこはロシアかもしれない。

そこで

ぼくは

雪の降る風景に出会う

一度も見たことがないのに

とてもなつかしい風景

そこで、一人の男が

彷徨っているのを見る

彼は、勘違いをしたまま

そこが西洋だと思い込んでいる

ジャーナリスト

しかし、僕は知っている。

世界は

ジャーナリストとは無関係に動いていることを

忘れられた村で

男と女が

愛し合っている。

僕は、見つけられる。

僕はついに

突き止められ

暴かれる

隠れていたベッドから

引き剥がされ

新しい寝室に誘われる

そこは、伝説の香気がする

でも、僕は詩人だ

だから、パフュームを好まない。

窓を開け

風を入れる。

潮風は陳腐だ。

しかし、

それを吸うと

僕は再び窒息する。

べとべとした

塩辛い浜辺に全裸で埋葬されることを好む

だれもいない月夜に

潮が満ちる前に











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