哲学で今、最も問題なのは“イデア”なのだ
プラトンは“イデア”があると言った
ネオ・プラトニズムの神秘家たちも
“イデア”が存在すると言った
それを否定したのがニーチェだ
オオカミは犬が野生化したのがオオカミで、オオカミと犬という個別の種がある訳ではない。つまり、“オオカミのイデア”、“犬のイデア”が存在するのではない
善も、悪との対比で、より良いか悪いかというだけで、“完全な善”などというイデアは存在しない
つまりは“理想”など存在しないというのだ
もちろん“神”などという完全な存在が形而上に存在するわけがない
あるのはただ形而下のこの“現実”だけだ
デカルトが近代哲学の始祖だとしたら
現代哲学の始祖はニーチェだ
イデア論は、とっくの昔に論駁されて死んでしまった、古くて使いものにならない哲学なのだ、というのが現代思想なのだ
でも僕は、“イデア論”を信じている。
美のイデア。善のイデア。真理のイデアは存在する。
僕は、そう信じている。