幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

イデア

2016-01-28 20:45:35 | Weblog

哲学で今、最も問題なのは“イデア”なのだ

プラトンは“イデア”があると言った

ネオ・プラトニズムの神秘家たちも

“イデア”が存在すると言った

それを否定したのがニーチェだ

オオカミは犬が野生化したのがオオカミで、オオカミと犬という個別の種がある訳ではない。つまり、“オオカミのイデア”、“犬のイデア”が存在するのではない

善も、悪との対比で、より良いか悪いかというだけで、“完全な善”などというイデアは存在しない

つまりは“理想”など存在しないというのだ

もちろん“神”などという完全な存在が形而上に存在するわけがない

あるのはただ形而下のこの“現実”だけだ

デカルトが近代哲学の始祖だとしたら
現代哲学の始祖はニーチェだ

イデア論は、とっくの昔に論駁されて死んでしまった、古くて使いものにならない哲学なのだ、というのが現代思想なのだ

でも僕は、“イデア論”を信じている。

美のイデア。善のイデア。真理のイデアは存在する。

僕は、そう信じている。