幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

脳内と空

2014-09-28 21:02:07 | Weblog

僕は自分の脳内を食べている

黄色い蝶が回転しながら

透明なモスクのドームから滴る

ダイヤモンドの雨水を除けて飛ぶ姿を

太陽の光で焼かれてしまった目玉の裏で追いかける

プラチナでできた、地下深くに下るエスカレーターに乗る

間もなく、グランド・セントラル・ステーションだ

ここから国際空港に着く頃には

空はすっかり暗くなっているはずだ

そう思いながら、カウンターに座って

アイス・コーヒーを飲んでいる

見えるもの全てが醜い

聴こえる全ての音がうるさい

静かに目を閉じて考えてみれば

創造的アイデアがあっちこっちに浮かんでいても、表現するには時間が必要だ

試しに、ひとつのアイデアを採用して

一連の行動のルーチンに自分のやり方で参加する

でもあまりオリジナルになり過ぎないようにしなければならない

だれにも理解されないなら、存在していても意味がない

逆にあまりにポピュラーになり過ぎてもいけない

群衆の雑踏に踏み潰されるだけだろう

今のところ、脳内を食べ尽くすことはできそうにない

空は何もないクウだとしても