喜多院法興寺

住職のひとりごと

隠し事が多くて、我々国民は発表をまともに信じられない

2011-05-27 06:23:25 | Weblog
5月27日付 編集手帳 読売新聞
 {結婚披露宴では来賓も緊張するらしい。ある披露宴で実際に述べられた祝辞より。「新郎新婦のお二人が幸せな家庭を築いていかれることを、私は疑って信じません」
◆固く信じ合い、隠し事をすることなく、手を携えて苦難を乗り越えていく――「統合対策室」を設けて原発事故にあたる政府と東京電力も新郎新婦の関係に似ていなくもない。世間から何かスピーチを贈るとすれば、「あなたがたの発表を、私たちは疑って信じません」となろう。
◆これまで「あった」と発表してきた海水注入の中断は、じつは「なかった」という。
◆原子炉を冷却する注水を中断したか、しなかったかは、火災のさなかに消火栓を閉めたか、閉めなかったかに相当する重大事である。その事実関係が2か月半もたって二転三転する。発表の何を信じたらいいのだろう。
◆手もとの『英和笑辞典』(研究社出版刊)には、【mirage】(空中楼閣)を解説して〈つづりがmarriage(結婚)に似ており、意味もほとんど同じ〉とある。これほど意思疎通の悪いご両人である。例の「工程表」が空中楼閣と疑われても仕方がない。}

福島第一原子力発電所1号機の海水注入を一時中断したのは、菅首相の指示だったのかどうかや、原子力安全委員会の 班目 春樹委員長の首相への助言を巡り、衆院東日本大震災復興特別委員会などで質疑が繰り返された。今度は東京電力が、現場の判断で冷却する注水を中断しなかったと、言い出した。こんな話を聞くと東京電力や政府の言うことは、まるで信じられない。収束へ向けての工程表を信じたいが、信じろと言うのは無理である。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿