喜多院法興寺

住職のひとりごと

長島「銀」加藤「銅」 日本、今大会初メダル

2010-02-18 08:47:38 | Weblog
2月17日付 編集手帳 読売新聞
 {氷を光にかざすと、なかに筋が見える。漢字の部首「にすい」はこの筋をかたどったものという。テレビ桟敷で「にすい」の漢字を声に出した方もあったろう。〈凄(すご)い〉と
◆冬季五輪バンクーバー大会、スピードスケートの男子500メートルで、長島圭一郎選手(27)が銀メダルを、加藤条治選手(25)が銅メダルを、それぞれ手にした。
◆長島選手は競技者の出世街道を歩いてきた人ではない。無名選手として過ごし、大学卒業のときは実業団チームから誘いはなかった。4年前のトリノ五輪では13位に終わり、屈辱の涙を流してもいる。
◆心が凋(しぼ)む日もあったろう。凋む…凌(しの)ぐ…凄い…「にすい」の変転あればこそ、感激はひとしおに違いない。〈凛(りん)〉も同じ部首である。〈鈴あらば/鈴鳴らせ/りん凛と〉とは辻井喬さんの詩『新年の手紙』の一節だが、銀の鈴、銅の鈴のうれしい合奏に、しばし聴き入るとしよう。
◆胸に描いたメダルとは色が違ったのだろう。競技を終えた二人の談話には悔しさもにじんでいた。ともにまだ20代、「金の鈴」への思いは他日に残すのもいい。夢に続編があるのも、若き競技者の特権である。}

 バンクーバー冬季五輪の、スピードスケート男子500メートルで長島圭一郎が2位、加藤条治が3位に入り、今大会日本選手団初のメダルを獲得した。このメタル獲得で、日本に勇気と希望をくれて有り難う。この二人が今回のオリンピックで活躍できた背景には、日本電産サンキョーと言う、会社の応援がからだと思う。会社に恩返しが出来て長島選手、加藤選手、本当におめでとう。


診療報酬目的か、必要ない手術で良性腫瘍の患者死亡

2010-02-16 06:41:00 | Weblog
2月16日付 編集手帳 読売新聞
 {下手な医者が急病人の知らせに駆け出し、はずみで隣家の幼女を 蹴飛 ( けと ) ばしてしまった。「どうしてくれる」と母親が怒る。仲裁に入った大家がなだめていわく、「足で蹴られたぐらいは堪忍せよ。この人の手にかかったら命がない」

◆江戸の 小 ( こ ) 咄 ( ばなし ) にある。こういう話を語れるのも、聞いて笑えるのも、誰もがそこに誇張を読み取るからだろう。そんなヤブ医者は現実にいないと思えばこそ、心おきなく笑うことができる。

◆政治資金をめぐる醜聞や、冬季五輪の話題に隠れた感はあるが、奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」の事件にはあきれるのみである。

◆元理事長(52)らが執刀した肝臓の 腫瘍 ( しゅよう ) 摘出手術で患者が死亡した。心臓血管外科が専門で肝臓は専門外、手術の経験がない上、輸血用の血液も用意していなかった。そもそも腫瘍は良性だったという。元理事長はほかの勤務医にも“専門外手術”を奨励していたというが、報じられているところを総合すれば「めちゃくちゃ」の一語に尽きる。

◆何がしたくて医師という職業を選んだのか――首をひねりつつ、憤りつつ、気に入りの小咄に封印をする。}

 落語の話であれば、笑って過ごせるが、ガンでもない患者に、手術をして輸血の準備すらせずに患者を見殺しにした。医者とは言わずに、殺人者である。友人の医者に聞いたことを思い出した。良い医者は病気を治してくれる。普通の医者は良くも悪くもしない。悪い医者は患者の様態を悪化させる。病院選びは慎重にしたい。

日本選手に頑張って貰い「元気をもらおう」

2010-02-14 07:20:53 | Weblog
2月13日付 編集手帳 読売新聞
 {呼べば応える「こだま」は漢字で「谺」とも「木霊」とも書く。梅の木が冬に耐えて花を咲かせるこの季節には、「木霊」の表記が似合うようである。

◆スポーツ観戦の楽しみは、木霊を聴くことにあるのかも知れない。故障を克服し、あるいはスランプを乗り越えて大舞台に臨んだ選手を「頑張れ、負けるな」と応援しているうち、自分が選手から同じ言葉で声援を送られていることに気づく。励ましたつもりが、励まされている。

◆テレビが中継する“街頭の声”でよく耳にする「元気をもらった」「勇気をもらった」という言い回しも、木霊をその人なりに受け止めた言葉だろう。冬季五輪バンクーバー大会がきょう、開幕する。

◆若木がいる。スピードスケートの15歳、高木美帆選手はリンゴのような頬(ほお)にニキビの跡も初々しい中学3年生である。ジャンプの6大会連続・葛西紀明選手37歳、スピードスケートの5大会連続・岡崎朋美選手38歳のように、年輪を重ねた幹もいる。

◆木霊を反響させてくれるだろう日本選手団という樹林の、ほぼ全員に声援を送るつもりでいる。あえて「ほぼ」とした理由は言わない。}

 冬季五輪バンクーバー大会開会式がが昨日、開幕された。屋内での開会式とあって、幻想的なスケールの大きい映像に驚いた。次から次から繰り出す映像に、SGなのか実物なのか分からないほどの、素晴らしい出来映えであった。何と、屋内での聖火台の点灯式には、度肝を抜かれた。

「仕分け人 妻に比べりゃ まだ甘い」川柳入選作

2010-02-11 06:45:47 | Weblog
読売新聞
 {第一生命保険は10日、恒例のサラリーマン川柳の入選作100作品を発表した。家族をテーマに、政治や経済を交えて世相を反映した秀作が多くそろった。

 歳出削減で鳩山新政権が取り入れた事業仕分けは、家庭内でも浸透。「仕分け人 妻に比べりゃ まだ甘い」「逆らえず ウチのこづかい 仕分け人」「仕分け人 口調が妻と そっくりだ!」などの嘆きの句が多く寄せられた。不況は就職戦線などにも影響し、「二人の子 婚活、就活 親カツカツ」と憂うものもあった。

 婚活ブームを題材にした作品も多く、「コンカツは ロースか?フィレ?かと 父は聞き」と親の戸惑いを描いた句のほか、「婚活で 肉食女 草原へ」など女性の力強さを表現した作品も多かった。

 応募総数は2万9215句。100作品は3月12日までホームページなどで公表、投票を募り、5月中旬にベスト10を決める。}

 第一生命保険は10日、毎年恒例となったサラリーマン川柳の入選作品100句を発表した。政治や社会問題と家庭での男性の悲哀を嘆く句や、鳩山新政権が取り入れた事業仕分けは、家庭内でも浸透、ひねりの利いた句が並んだ。「仕分け人 妻に比べりゃ まだ甘い」や、「気をつけろブレる上司とキレる部下」「ほめ上手君なら他社でがんばれる」不況で職場での 肩身の狭さを表した句が目立つた。

キリン・サントリーの合併が決裂

2010-02-10 07:17:07 | Weblog
2月10日付 編集手帳 読売新聞
 {評論家の野口武彦さんは「恋愛」を次のように定義したという。〈より多く愛した側が敗北する男女の性的 葛藤 ( かっとう ) である〉。小谷野敦さんの「〈男の恋〉の文学史」(朝日選書)からの孫引きである。

◆経営統合の交渉は、〈より多く愛した側が敗北する企業同士の経済的葛藤である〉と、定義できるかも知れない。業績で劣勢に立つ企業の側は、是が非でも統合を実現しなくてはならず、厳しい条件を受け入れてでも交渉をまとめようとするだろう。

◆厄介なのはどちらも優良企業で、良縁は引く手あまた、相手を愛する度合いも一緒、交渉で敗北して無理難題をのむなんて「冗談じゃないわ」という強気同士の場合である。キリンとサントリーの統合交渉が決裂した。

◆組織力を誇る三菱グループの一員で手堅い経営のキリンと、株式の約9割を創業者一族が握る独特の経営手法で知られるサントリーと、企業文化の壁を越えられなかったという。内需を食い合うのではなく、世界市場に打って出る戦略を共有した“理想のカップル”とも評された。
◆実るも、散るも縁のものとはいえ、さみしさの残る恋の終わりである。}

 キリン・サントリーの優良企業同士の合併に驚いたが。結局はお互いの主張がかみ合わず決裂した。三菱グループのキリンと創業一族の経営するサントリーでは生まれも育ちも違う者同士、どちらかが折れるようであれば、実を結んだのかも知れない。競合メーカーのアサヒビールはバンザイををしていると思う。