喜多院法興寺

住職のひとりごと

診療報酬目的か、必要ない手術で良性腫瘍の患者死亡

2010-02-16 06:41:00 | Weblog
2月16日付 編集手帳 読売新聞
 {下手な医者が急病人の知らせに駆け出し、はずみで隣家の幼女を 蹴飛 ( けと ) ばしてしまった。「どうしてくれる」と母親が怒る。仲裁に入った大家がなだめていわく、「足で蹴られたぐらいは堪忍せよ。この人の手にかかったら命がない」

◆江戸の 小 ( こ ) 咄 ( ばなし ) にある。こういう話を語れるのも、聞いて笑えるのも、誰もがそこに誇張を読み取るからだろう。そんなヤブ医者は現実にいないと思えばこそ、心おきなく笑うことができる。

◆政治資金をめぐる醜聞や、冬季五輪の話題に隠れた感はあるが、奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」の事件にはあきれるのみである。

◆元理事長(52)らが執刀した肝臓の 腫瘍 ( しゅよう ) 摘出手術で患者が死亡した。心臓血管外科が専門で肝臓は専門外、手術の経験がない上、輸血用の血液も用意していなかった。そもそも腫瘍は良性だったという。元理事長はほかの勤務医にも“専門外手術”を奨励していたというが、報じられているところを総合すれば「めちゃくちゃ」の一語に尽きる。

◆何がしたくて医師という職業を選んだのか――首をひねりつつ、憤りつつ、気に入りの小咄に封印をする。}

 落語の話であれば、笑って過ごせるが、ガンでもない患者に、手術をして輸血の準備すらせずに患者を見殺しにした。医者とは言わずに、殺人者である。友人の医者に聞いたことを思い出した。良い医者は病気を治してくれる。普通の医者は良くも悪くもしない。悪い医者は患者の様態を悪化させる。病院選びは慎重にしたい。

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