2月13日付 編集手帳 読売新聞
{呼べば応える「こだま」は漢字で「谺」とも「木霊」とも書く。梅の木が冬に耐えて花を咲かせるこの季節には、「木霊」の表記が似合うようである。
◆スポーツ観戦の楽しみは、木霊を聴くことにあるのかも知れない。故障を克服し、あるいはスランプを乗り越えて大舞台に臨んだ選手を「頑張れ、負けるな」と応援しているうち、自分が選手から同じ言葉で声援を送られていることに気づく。励ましたつもりが、励まされている。
◆テレビが中継する“街頭の声”でよく耳にする「元気をもらった」「勇気をもらった」という言い回しも、木霊をその人なりに受け止めた言葉だろう。冬季五輪バンクーバー大会がきょう、開幕する。
◆若木がいる。スピードスケートの15歳、高木美帆選手はリンゴのような頬(ほお)にニキビの跡も初々しい中学3年生である。ジャンプの6大会連続・葛西紀明選手37歳、スピードスケートの5大会連続・岡崎朋美選手38歳のように、年輪を重ねた幹もいる。
◆木霊を反響させてくれるだろう日本選手団という樹林の、ほぼ全員に声援を送るつもりでいる。あえて「ほぼ」とした理由は言わない。}
冬季五輪バンクーバー大会開会式がが昨日、開幕された。屋内での開会式とあって、幻想的なスケールの大きい映像に驚いた。次から次から繰り出す映像に、SGなのか実物なのか分からないほどの、素晴らしい出来映えであった。何と、屋内での聖火台の点灯式には、度肝を抜かれた。
{呼べば応える「こだま」は漢字で「谺」とも「木霊」とも書く。梅の木が冬に耐えて花を咲かせるこの季節には、「木霊」の表記が似合うようである。
◆スポーツ観戦の楽しみは、木霊を聴くことにあるのかも知れない。故障を克服し、あるいはスランプを乗り越えて大舞台に臨んだ選手を「頑張れ、負けるな」と応援しているうち、自分が選手から同じ言葉で声援を送られていることに気づく。励ましたつもりが、励まされている。
◆テレビが中継する“街頭の声”でよく耳にする「元気をもらった」「勇気をもらった」という言い回しも、木霊をその人なりに受け止めた言葉だろう。冬季五輪バンクーバー大会がきょう、開幕する。
◆若木がいる。スピードスケートの15歳、高木美帆選手はリンゴのような頬(ほお)にニキビの跡も初々しい中学3年生である。ジャンプの6大会連続・葛西紀明選手37歳、スピードスケートの5大会連続・岡崎朋美選手38歳のように、年輪を重ねた幹もいる。
◆木霊を反響させてくれるだろう日本選手団という樹林の、ほぼ全員に声援を送るつもりでいる。あえて「ほぼ」とした理由は言わない。}
冬季五輪バンクーバー大会開会式がが昨日、開幕された。屋内での開会式とあって、幻想的なスケールの大きい映像に驚いた。次から次から繰り出す映像に、SGなのか実物なのか分からないほどの、素晴らしい出来映えであった。何と、屋内での聖火台の点灯式には、度肝を抜かれた。