喜多院法興寺

住職のひとりごと

木嶋被告に死刑判決

2012-04-15 06:46:16 | Weblog
4月15日付 編集手帳 読売新聞
 {この100日間の裁判員たちの重圧を思う。年明け早々に選任手続きがあり、計36回の公判。結審後もひと月にわたって評議を続けてきた。選択した結論は死刑だった◆首都圏の男性3人連続不審死事件の裁判は、木嶋佳苗被告(37)と殺害行為を結びつける直接的な証拠がない。検察は3事件に共通する状況証拠を積み重ねて「犯人は被告以外に考えられない」との主張を展開した。
◆状況証拠については2年前、最高裁が「被告が犯人でなければ説明できないものがなければならない」と厳しい条件を示している。初動捜査で警察が、男性1人を自殺と見誤り司法解剖しなかった、などの失態も明らかになった。証拠の細部まで吟味し尽くした評議だったろう。
◆裁判員の苦悩に敬意を表しつつ、検察の論告には疑問を呈しておく。<夜晴れていて朝雪化粧なら、雪が夜中に降ったのは明らか>。状況証拠だけでも有罪にできると、雪に例えて言いたかったのだろうが、想像力で殺人を認定するわけにはいくまい。
◆「 雪冤 ( せつえん ) 」という言葉が浮かぶ。自らの無実を晴らす、の意味。冤罪を生まぬことが刑事裁判の鉄則である。}


 木嶋佳苗被告に対し、さいたま地裁(大熊一之裁判長)は13日、求刑通り死刑の判決を言い渡した。判決は、3件の殺人事件で「現場に残されたものと同種の練炭とこんろを被告が事件前に入手した」と認定。大出さんと安藤さんの遺体から検出された睡眠薬についても「被告が同種のものを入手し、2人に服用させる機会もあった」とした。殺害した3人に愛情のかけらもなく、ただ金銭目的で交際し結婚の意思もなく、受け取った金の返済に困り殺害したと断定した。当然の判決である。