喜多院法興寺

住職のひとりごと

「セシウムさん」騒ぎは、ついに番組の打ち切りに

2011-08-12 06:41:29 | Weblog
8月12日付 編集手帳 読売新聞
 {歌舞伎の八代目市川中車が敬愛する六代目尾上菊五郎に教えを乞うた。役者が舞台で泣くときは本当に涙を流すべきでしょうか? 劇作家の宇野信夫氏が随筆に書いている。
◆馬鹿なことを聞いちゃいけない――六代目は言下にたしなめたという。「役者は客席に背中を向けているときは、ベロを出していても客を泣かせなけりやァいけない」と。名優とうたわれた人にして言える言葉だろう。
◆世間には名優でもないのに 真似 ( まね ) をする人がいる。「被災者と心の絆を」などと背中で泣いて見せながら、ベロが客席に見えてしまう騒動がつづいた。
◆京都の「送り火」騒ぎは被災地の 薪 ( まき ) を受け入れることで収まりがついたようだが、岩手県産米に信じがたいテロップを付けて放送した東海テレビの「セシウムさん」騒ぎは、ついに番組の打ち切りに発展したという。口と腹は一緒でなければならぬ、などと 綺麗 ( きれい ) 事を言うつもりはないが、大根役者の多いことよ。
◆下手くそな相手役と組んだとき、六代目は愚痴ったという。「とうとう、あいつに殺されちまった」。まじめに番組をつくってきたほかのスタッフも同じ心境だろう。}

 番組をなめていたのか、やってはいけないことをやって、絶対に見せてはいけないものを誤って放送した。企業のスポンサー降板やCM提供中止が続出。視聴者からも約1万5千件の苦情が寄せられ情報番組「ぴーかんテレビ」を打ち切ると発表した。「ぴーかんテレビ」は1998年開始で、月~金曜日の午前中に放送。愛知、岐阜、三重の3県ではなじみの長寿番組だった。