8月7日付 編集手帳 読売新聞
{手塩にかけて育てたコメを「怪しいお米 セシウムさん」などと軽んじられた生産者の心中はいかばかりか。原発事故で放射能の影響に敏感になっている昨今、しかも、日々口に入れる食品が「放送被害」に遭った。
◆岩手県産「ひとめぼれ」が放射性セシウムに汚染されたかのような表現のテロップを東海テレビが番組で流した。「農家の努力を踏みにじり、復興に全力を挙げる本県を 誹謗 ( ひぼう ) 中傷するものだ」。知事の抗議は当然である。
◆外部の制作スタッフがリハーサル用に作ったものを、操作ミスで送ってしまったという。「ふざけ心から」では説明にならない。スタッフ教育は、チェック体制は、どうなっていたのか。詳しい経緯と再発防止策を示すべきだ。
◆12年前の民放の「所沢ダイオキシン汚染」報道を思い出す。番組で名指しされた地元のホウレンソウは価格が暴落した。社長が国会に参考人招致されるなど、放送に国家権力の介入を招いた。業界人には重い教訓のはずだ。
◆東京・銀座の岩手県アンテナショップ。ひとめぼれに、主婦が手を伸ばす。「みんなの力で!がんばろう!岩手」のシールがあった。}
東海テレビの情報番組「ぴーかんテレビ」内で、岩手県産米のプレゼント当選者を「怪しいお米 セシウムさん」「汚染されたお米 セシウムさん」などとするテロップ画面を誤って放送した。外部の制作スタッフがリハーサル用に作ったものを、23秒間にわたり、操作ミスで放送されたという。現実に風評被害に直面している農家にとって、「ふざけ心から」では許されない。
{手塩にかけて育てたコメを「怪しいお米 セシウムさん」などと軽んじられた生産者の心中はいかばかりか。原発事故で放射能の影響に敏感になっている昨今、しかも、日々口に入れる食品が「放送被害」に遭った。
◆岩手県産「ひとめぼれ」が放射性セシウムに汚染されたかのような表現のテロップを東海テレビが番組で流した。「農家の努力を踏みにじり、復興に全力を挙げる本県を 誹謗 ( ひぼう ) 中傷するものだ」。知事の抗議は当然である。
◆外部の制作スタッフがリハーサル用に作ったものを、操作ミスで送ってしまったという。「ふざけ心から」では説明にならない。スタッフ教育は、チェック体制は、どうなっていたのか。詳しい経緯と再発防止策を示すべきだ。
◆12年前の民放の「所沢ダイオキシン汚染」報道を思い出す。番組で名指しされた地元のホウレンソウは価格が暴落した。社長が国会に参考人招致されるなど、放送に国家権力の介入を招いた。業界人には重い教訓のはずだ。
◆東京・銀座の岩手県アンテナショップ。ひとめぼれに、主婦が手を伸ばす。「みんなの力で!がんばろう!岩手」のシールがあった。}
東海テレビの情報番組「ぴーかんテレビ」内で、岩手県産米のプレゼント当選者を「怪しいお米 セシウムさん」「汚染されたお米 セシウムさん」などとするテロップ画面を誤って放送した。外部の制作スタッフがリハーサル用に作ったものを、23秒間にわたり、操作ミスで放送されたという。現実に風評被害に直面している農家にとって、「ふざけ心から」では許されない。