喜多院法興寺

住職のひとりごと

有名人に取って受難の時代だ

2011-01-25 06:26:35 | Weblog
1月25日付 編集手帳 読売新聞
編集手帳2011年1月25日(火)01:38
 {歌舞伎界のスターであった十五代目市村羽左衛門に、競馬場での挿話がある。羽左衛門が来ているらしいわ、どこにいるのかしら…と、女性客がざわめきだす。ご本人が手を挙げて言った。「は~い、ここですよ」
◆私的な時間を世間の耳目で乱されることに、誰もが十五代目のようにおおらかなわけではない。耳目どころか簡易ブログ「ツイッター」という“口”を世間が備えた現代は、顔の売れている人には受難の時代であろう。
◆「うちの店に××が彼女と一緒に来たよ」。ホテルやレストランの従業員が、客として訪れた著名人の行動を暴露し、店側が謝罪する騒ぎが相次いでいる。
◆従業員も無傷では済まないらしい。“犯人捜し”の末に実名や顔写真がネット上にさらされた事例もある。店の信用を傷つけて損害賠償を求められる可能性もあるとか。目撃談を開陳したいのなら、友人や家族にとどめておくのが賢明なようである。
◆客の秘密を守る職業倫理――などと堅苦しい話を持ち出すまでもない。切られ 与三 ( よさ ) やお祭佐七など、粋な人物を当たり役にした羽左衛門ならば言うだろう。「ヤボは、よしねェ」}

 確かに今は、顔の売れた人達にとって、プライバシーはないに等しい。今までは噂話として面白おかしく伝わっていた。真偽にについては深く追求はされなかった。今は皆が携帯を所持する時代だ。携帯で写された密会写真を写メールされ、さらにはブログに掲載される時代だ。写された人はごまかしようがなく、周りから糾弾される。私は有名でないことに感謝している。