うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

NEO天体....(74)

2007年04月08日 21時05分35秒 | うべプラネタリアン
NEO天体とは、地球に異常接近する小惑星だ。
Near Earth Object の頭文字。
昨年11月11日に発見された2006VV2というコード番号の小惑星は、3月31日に、
地球から340万㌔のところを猛スピードで通り抜けた。
地球から340万㌔といえば、地球-月間の8.8倍で、天文学的な距離で見ればニアミスといえる。
2006VV2は直径2㌔くらいとみられ、昨今発見される小惑星はもっと小さいのもあるので、こんな“大きい”サイズのものが未発見だったというのはめずらしい。
逆にいえば、これくらいの物なら未発見のまま、地球につっこんでくるのがあるかもしれないと言うことだ。
アルマゲドンとかディープインパクトとか、映画の世界では、小惑星地球激突ストーリーはたくさんあるが、現実には、かなり探査がすすんでいて、直径500㍍クラスなら何とか見つけられる。
また、それを排除出来なくてもその程度の大きさなら、地球破滅までにはいたらない。地球破滅となれば、すくなくとも、日本サイズくらいは必要だろう。
そんな大きい物で未発見はない。
しかし、2㌔サイズでも衝突した場所が悪ければ、優に東京は蒸発する。
だから、異常軌道のNEOの探査は、真剣に続けられる必要がある。
2006VV2のようなやつが漆黒の宇宙の闇の中にひそんでいる。
宇宙は深く、おどろおどろしいのだ。
画像は、NASA提供。おおぐま座M81MとM82に近接して猛スピードで通り過ぎる軌跡。