うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

うべプラネタリウムでの質問の... (42)

2007年02月18日 22時44分30秒 | うべプラネタリアン
多いテーマに「ブラックホールってなんですか」というのがある。
天体観望会でも、さぁつぎは何を見ようかね、とつぶやくと「ブラックホール!」と声があがる。人気者なのだ。
見られるかどうかと言うことになると、これは簡単だ。
ブラックホールってどういう意味?と聞くと、ちょっと高学年の子どもは「黒い穴」と答えてくれる。
「そう、夜の暗闇で、黒い穴を見るのは難しいぞぉ..だから見えない!」と返事して、いっしょに あははと笑っておけばすむ。
しかし、明るいところで手を挙げてまっすぐ問われると、きちんと答えたいと思う。
これが全くむつかしい。
よく“喉入り”してないことを説明しても、聞いた方は解るわけがない。
天文ファンにとっても最も興味のあるテーマなので、本を読んで説明の仕方を研究するのだが、
しょせん実感が伴わないことだから、人に説明する段になると、殊に簡単にわずかな言葉で(つまり一言で)理解できるように なんて、とてもとても。
天文同好会の仲間などが側にいたりして、“また、固まってら、どう切り抜けるかな”といった目で
薄ら笑いを浮かべているのを横に感じたりすると、よけいカッカときて、
わけのわからないブラックホールに落ち込む。従って、ここでもちゃんと説明はしない。
のぞいても、近寄っても取り憑いたら、二度と出てこれないテーマだからだ。

でも、誰か、小3くらいに解るような説明の仕方を教えて....

うべプラネタリウムに、一つの地球儀がある... (41)

2007年02月18日 00時22分44秒 | うべプラネタリアン
30年前のものだが捨てきれない。
“ロシア”が“ソ連”だから、それなりにおもしろいのだが、
骨董マニアということではなく、直径23㌢というところが実に使い勝手がいいためだ。
プラネタリウムの中で、懐中電灯の太陽で、この地球儀を照らして、
ピンポン球の月を挟めば、ちょうどいい日食ができあがる。
下方から照らして地球儀の影をドームに映し、その影の中を、ピンポン球を通過させれば、格好の月食が演出できる。
たまたまだが、直径8㍍の小振りなうべプラネタリウムにとって、この地球儀は大きすぎず小さすぎず、ジャストミートなのである。

3月19日に部分日食がある。8月28日には月食がある。
月食は、地球の影に月が入り込むのですが...と、説明をしながら考えた。
一体地球の影は何万㌔彼方まで伸びているのだろう。
月の影がぎりぎりで地球に届いて日食になるとすると、月と地球のサイズ、地球-月間の距離の比から容易に割り出せるだろう。
地球の円錐の影は、ほぼ150万㌔の彼方まで伸びているのではないか。
月までの距離は平均で、38万㌔だから、かなり大きい円影の中を通ることになる。
23㌢の地球儀を廊下の端に置くと、月は14㍍先のテニスボール、地球の影の先端は50㍍となる。
こんなスケールの実感を、学校の理科の授業でやってみると、生き生きした話ができるだろうなぁ。