うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

うべプラネタリウムで、冬の星座の... (43)

2007年02月19日 21時56分50秒 | うべプラネタリアン
説明は、オリオン座からはいり、二番目にどこに振るかは、その時次第だが、
シリウスの輝きが強いから、やはり、おおいぬ座にゆくケースが多い。
幸い、この犬は素性がはっきりしていない。俊足のレラプスか名犬メーラか、
ただのオリオンの飼い犬か。

お客さんに話しかけて、誰か犬を飼ってますかと言うと、必ず「はい」と女の子の声が暗闇から返ってくる。
「そう、いいね、あなたの犬の名前は?」と重ねて聞くと、『クララ』だったり『きらら』だったり『りゅうすけ』だったり
うれしそうな返事が来るので、
「じゃ今日は、このおおいぬ座の犬の名は『クララ』としましょう」というと、
「きゃぁすてきっ!」ととたんに声が弾ける。
「さて、『クララ』の鼻のところにひときわ美しく光っているのがシリウスですね」と話をすすめてゆけば、
遠い星の世界がにわかに身近になるだろう。

こんなことは“アナログ機械の肉声説明”でしか、絶対にできない芸当だ。

今夜はきっと晴れていい星空になるから、『クララ』に『クララ』をみせてあげてね、と言い添えておく。
その子はきっと 愛犬といっしょに星空を眺めるに違いない。
そのとき、シリウスは80兆㌔の彼方から、家族にエールを送るだろう。