うべプラネタリアン

プラネタリウム解説の活動を通じ、いろいろ感じたことをさまざまに語りたく....

うべプラネタリウムを... (29)

2007年02月04日 18時10分11秒 | うべプラネタリアン
公開投影していて、たのしいのは、思いがけない質問に会うときだ。
特に、科学的な正確さを要求されない質問はうれしい。
たとえば、「将来、太陽系惑星のどこにでも住めるとなったら、どこがいいでしょう...」
この手の質問はことにうれしい。
毎日見てて飽きない景色となれば、土星かなぁ...やっぱ、そうだろうなぁ、と
応えながら、どんどんイメージは広がり、いくつもの映像を紹介しつつ、みんなで人気投票の形になるのは、実に楽しい。
そうして、結局のところ、やっぱり、やっぱり地球でしょう、となる。
「めぐりきたりて別事なし」ではあるまいか。
炊きたてのご飯より旨い物はないといった感慨か。

今日のプラネタリウムには、コスタリカからのお客様があった。
コスタリカを出たのが25年前とのことだから、すでに日本人になっていらっしゃるのだが、せっかくだから、故郷の星空「北緯10度の星空」を作ってみた。
宇部からは地平線(水平線)にごくわずかしかあがらない、全天第2の明るさのカノープスが、どんっと高くあって、シリウスとカノープスの競演となった。
なるほど、こんな空なんだぁと思うと、無性に行ってみたくなった。

そこでも、やっぱり、炊きたてのご飯を食べたくなるだろうか、と....

うべプラネタリウムでの... (28)

2007年02月04日 10時48分42秒 | うべプラネタリアン
この季節の話は、やはり、「立春」でありその前日の「節分」だろう。
立春とは、今日から春になるということではない。“峠越えの一番ピークだよ”と、の意味で、いわば、季節の分水嶺だ。
とすれば、“立春”とは、冬のまっさかり、ピークということになるが、まさにそうである。立春・立夏・立秋・立冬、みんな今の季節が最高にきわまった季(とき)を言う。
その分かれ目に節分があり、特に立春の節分には豆まきをして邪を払う。
そういえば、峠には、常に鬼が潜むというではないか。

峠越えをすれば、もうすぐ春。
だが、世界的な暖冬で、冬なしの春とか。春を待つときめきがないのは寂しい。
その点、夜空は、時節の星座がきわめて秩序正しくめぐってくるので安心だ。
「今年は、例年になくおとめ座が早く昇ってきて、オリオンがほとんど見えなかった」なんてことは絶対にないのである。
でもいつの日か、日本で、汗を拭きつつシリウスを眺めるなんてことが、起こるんだろうか。
画は、もうすぐ見頃となる、おおぐま座にある渦巻き銀河(M81)。1200万光年の彼方。