兵庫県三田市上相野
休日の前夜に雪が降れば、どこかの神社に行こうと考えていた。
湖北や但馬辺りにでも行けば雪景色の神社を見るのも容易いだろうが、もう少し身近なところで少ないチャンスに出逢い、普段とは違う姿を見てみたい。
だが、そうそうタイミング良く、休日の前夜に降り積もって朝頃には止む、なんてことにはならない。
雪景色は、降り止んだ直後が最も美しいと思うが、そんなタイミングを待っていたら、そのまま春になってしまいそうだ。
ところが、上手い具合に休日の前日から冬型の気圧配置が強まった。
兵庫県河川監視カメラシステムのホームページで、篠山や三田辺りのカメラ画像を何度も確認し、気象庁のレーダーで雪雲の動きを追う。
積雪は1~3センチくらいか。
もう少し欲しい気もするが、風景としては充分に普段とは一変した姿を見せてくれる筈だ。
さて、問題はどこの神社に行くか、である。
最初に思い浮かんだのは、以前に雪景色を撮影したことがある篠山の八柱神社だったが、やはり同じ場所というのは面白味に欠ける。
地形図を見て、この近くで雪景色が映えそうな神社は、と探して、すぐに大龍神社に目が留まった。
ここは、常緑照葉樹が多く、雪が積もればそれらは白を纏う。
それに、いつもはその常緑照葉樹の光の照り返しで、写真が上手く撮れない気もしていたから、雪が覆えば撮影条件も良くなるのではなかろうか。
よし、ここにしようと決める。
7時過ぎの電車に乗る。
川西辺りから屋根が薄っすらと白くなりだし、武田尾では雪を纏った木々の山峡に目を奪われた。
以前に掲載したことのある廃線跡のトンネルから、今度は雪景色を撮りたい! なんて思って下車したくなるが、快速電車なので通過する。
三田に入れば、白くなった平地が広がる。
やはり少し物足りないと思える積雪量ではあるけれど、山々の雪化粧は綺麗で気持ちは昂る。
相野駅で下車。
スマホで気象庁のレーダーを確認しても雪雲は表示されないが、弱い雪が降り続いている。
線路沿いの道を10分も歩けば大龍神社前に着く。
眠い、寒い、メンドクサイ、などと、出かける前はいつも思う。
でも、来て良かったな、と思える風景が出迎えてくれる。
山際に立つ鳥居は、朝の賑わいと、まだ目覚めたばかりの空気との境界のようだ。
長床を見ると、いつも「いいなぁ」と思う。
ここに来るのは四回目だし、その向こうの景色も知っているわけだが、何故かドキドキさせられるのだ。
それに今日は、どんな雪化粧を纏っているのか、というワクワク感がある。
長床自体も、普段よりちょっと厳かにみえる。
下をくぐって社殿が見えだしたときの気持ちの高まり。
ああ、と心の中で声を漏らす。
高まるものと、しーんと静まるものが同居する。
雪と戯れ、はしゃいで駆け回っていた子供の頃、ふと周りを見渡して、その美しさに気付いた瞬間の、暫し呆然と言葉を失う感覚を思い出す。
綺麗な、あるいは美しい、または、神秘的なとか、神々しい、それとも、森厳や静謐。
当てはまりそうな言葉は幾つか出てくるけれど、やっぱり、ただ「ああ」という感覚が勝る。
普段は緑豊かな潤いある風景が好きなのに、この色彩を排したような厳しい風景にも強く惹かれる。
本殿。
本殿前から長床。
本殿向かって左側の境内社。
手が悴み、痛い。
雪は止んだが、時おり木々から落ちてくる。
こちらは右側の境内社。
朱の鳥居は雪の中でも映える。
気温はマイナス1~2℃程度だと思うが、指が思うように動かずシャッターが切りにくい。
火気厳禁の看板が無ければいいのに…。
今日は日曜日だが、当然、誰も来ることなく、この空間を独り占めする。
電車の音や車の音が聞こえてくることはあっても、ひっそりと、静かで心地いい。
ただまあ、やっぱり寒くて手は痛いけれど。
雪を被った狛犬さん。
実は走り回りたいのではなかろうか。
さて、そろそろ帰ることにする。
長床をくぐる。
往きのときのような高ぶりは無いけれど、ゆったりと満ち足りたような想いで通る。
きゅっきゅと踏みしめるほどの雪が無いのは残念だが、いい風景に出逢えて満足。
いつも、その年最初の更新は雪の神社にしたいと思っているのだが、今年はそれが叶って良かった。
と言っても、もう2月になってしまいましたが…。
撮影日時 190127 8時15分~9時15分
地図
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かつて教育、指導した後輩が、会社を立ち上げました。
ずっと前から、いつか会社を興すので、その時は来てください、と言われてたのですが、
まさか本当にやるとは思ってなかったのでビックリです。
たった三人くらいからの出発、ぼろっちぃビルの狭い事務所、
正直、不安だらけです。
反面、自分で会社を大きくしていく遣り甲斐や期待といったものもあります。
人生二度目の転職ですが、これが飛躍するためのラストチャンスになると思うので、
がむしゃらに頑張るつもりです。
人事異動も転職と変わらないくらい、ガラリと環境が変わったりしますね。
どんな職場も人間関係がいちばん大事だと思いますし、
楽しさがあるのは何よりだと思います。
車は、買うとすればどうせ中古ですし、
T君の車にも乗っているので、まあ大丈夫かと。
それに私はカーナビは使わないので。
私は今月から、社内で部署がえ、入社以来初めてで、しかも事務から現場です。事務職の女性は全部契約社員になって、正社員は工場で実務となったみたいです。新規募集しても工場ではなかなか人が来ないとかで。
もう新しいPCの機能に付いて行くのもしんどいし、これでいいかなと思いましたし、今まで男性の中で一人だけの女性だったので、やっと同性の仲間ができました。仕事はしんどいですが、楽しいです。
hiro1jzさんも新しいお仕事、大変だと思いますが、楽しいと思われることを祈っています。
新しい車、最新の車はシステムを覚えるのが大変です。男性は得意かと思いますが、家人はナビの操作に苦労しています。スマホで指示しないといけないのですが、「繋がりません」が多いのです。
購入される際は、取説をよく学習なさってくださいね。
頭に描いていた風景ほぼそのままで迎えてくれました。
私もこのくらいの雪で良かったのではと思います。
これ以上積もると、白が勝ちすぎてメリハリに欠けるようにも思えますし。
街中に住んでいるので、鳥といえばカラスばかりです(笑
意外とシジュウカラの鳴き声はよく聞きますが。
滝はやっぱり春になってからですかね。
ただ、私は三月に転職するので、かなり忙しくなりそうです。
撮影自体、あまり行けなくなるかも知れません。
落ち着いたら車を買うつもりでいますが、どうなることやら…。
深く積もっている雪景色より、この中途半端な積雪が却って綺麗です。
キーンという緊張感のような静寂と冷たい空気が想像出来ます。
最近雨が少ないので、滝には行ってません。
その代わり、鴨や白鳥を追いかけています。
最近は空にも目を向けてミサゴとか探しています。
北条鉄道沿線の田園風景や神社が好きですが、昨日はお昼から土砂降りで、雨の中を節分の鬼が神官や当人と共にずぶ濡れで歩いているのを、加西市で見かけました。賽銭集めだ、と家人が言っていましたが、伝統を守るのも大変ですね。
え、大瀧神社、須波阿須疑神社まで日帰りですか!?
どこにお住まいか存じませんが、(初めて頂いたコメントでは奈良の方かと思いましたが)
かなりの強行軍だったのでは?
大瀧神社も、須波阿須疑神社も、それぞれ違った魅力があって、
近ければ何度でも行きたいところですね。
あの辺りは蕎麦も有名ですから、そういう出会いがあるのが羨ましいです。
剣主神社、下宮奥の二社と、半阪の一社のことですかね?
三社とも行きましたが、私の時は警報は鳴りませんでした。
偶然、センサーのようなものに引っかかったか、後で取り付けられたか…。
なかなか色々なところをまわられているようで、
このブログが、そのきっかけになれたなら嬉しいことです。
スマホでパチッ!大瀧神社で社殿の彫刻に見入ってしまい、座り込んで時間がゆったりと流れるのを楽しんでいました。
それから須波阿須疑神社へ向かい、境内の池にも梅花藻があって、大杉を見て雨蛙をパチッ!宮司さんと話し込んで
池田町稲荷の「一福」って蕎麦屋さんの塩だしソバがおいしいよ!って教えて頂いて食べに行きました。現地の人に
聞くのが一番で、いつも行き当たりばったりの旅です。この滝も魅力的な滝ですね。暖かくなったら行きたいです。
hiro1jzさんのブログで楽しみをもらって、どっぷりと浸かってます。奈良県の剣主神社が3つあるのご存知ですか?
1つ入ったら警報が鳴るんです。ハハハ~
あちこち出掛けられたら、「食」も楽しまれるほうですか?
私はそっちの方は全然で、まだまだ未熟です(笑
出先の美味しい食べ物なんかも紹介出来たら、
ブログの内容にも幅がでるんですけどねぇ。
文蔵の滝、いつか行きたいと思っているんです。
私の好きな滝の一つである、ここ
https://blog.goo.ne.jp/hiro1jz/e/da53b313e17ff5e30f22604397f46a73
とよく似ていると思うので、ぜひ見てみたいなぁ、と。
ただ、おっしゃるように、かなり広角のレンズでないと全容が撮れないみたいなので、
いつか超広角レンズを買ったら行こうかと考えています。
御存じでしょうか?規模は小さいのですが、周囲を岩で囲まれ、洞窟のような地形です。 スマホで写真を撮ったのですが場所が狭く滝全体が写らず、あなたならどう撮って空気感と景色を伝えるのか考えながら見ていました。いい所でしたよ。時々心の洗濯は必要ですよね。