神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

一枚岩

2019年04月27日 | その他

和歌山県東牟婁郡古座川町相瀬


古座川町で最も知られた場所と言えば、やはり一枚岩であろう。
私は過去に何度か訪れたことがあるから、是非とも今回も、というわけではないが、次に向かう場所への通り道でもあるし、それにT君もいるので見てもらいたい気持ちが強い。
もっともこれは、親切心と言うよりは、「凄いだろ」と自慢するような感覚に近い。

川岸神社からは来た道を七川ダムまで戻り、そのまま古座川に沿って下る。
一枚岩を見るとき、ほとんどの人は国道沿いの「道の駅」辺りからであると思うが、私はいつも、少し上流の洞尾橋から左岸についている道に入ることにしている。
車が通れる道だが、ここは敢えて橋の手前に駐車して、そこから歩くことにする。



この辺りの桜は満開に近く、所々で目を楽しませてくれる。



一枚岩が見えてくるまで700メートルほどの距離で、対岸に岩壁が見えたりするものの、穏やかな雰囲気である。
一枚岩は緩いカーブを曲がりきったところで目に入るのだが、最初は何となく行き止まりのような場所に見える。
視線を普通の高さにしていたら、前方にある岩を道路脇の擁壁のように認識するからだ。
が、「ほら、一枚岩」と言って、私が上方を指さすと、まだその存在に気付いていなかったT君が、「おお! すげー!」と期待通りの反応をしてくれる。
わざわざこの道を歩くことにしたのは、この演出効果を狙ったからで、すぐそばに辿り着くまで、一枚岩の姿が全く見えないというのがいい。
突如として、まさに壁と言うべき圧倒的な存在感に出くわす、といった感じだ。
ただ、この位置からだと一枚岩が近すぎて、まともに写真が撮れない。
撮影は後で道の駅付近でするとして、まずはこの道の行き止まりにある公園に立ち寄る。



この公園、一枚岩のすぐそばにありながら、一枚岩が全く見えないという残念なところなのだが、そのお蔭か、あまり人が来ない。
目の前の川も、雨後のみ水が流れる川のようで、それも残念。
それでも、桜のシーズンだからちょくちょく人はやってくるし、誰かバーベキューでもしたのか、河原に丸ごとのキャベツとフランクが一本転がっている。



水があれば、もっと桜が映えるのになぁ。



さて、対岸に移り、一枚岩を撮る。



しかし対岸からでも、もっと広角のレンズでないと納まりきらない。
それに、青空でないと引き立たない。



でもまあ、見ているだけで楽しくはある。



河原で遊ぶ親子。



さきほど、道路脇の擁壁に見えて何となく行き止まりに感じると書いたが、この写真の岩の感じを見ると、それが理解してもらえるだろうか。



普通の人は、「岩」を思い浮かべるとき、きっと漠然と大きな石の塊くらいを頭に描くと思うけど、この辺で育った人は、「岩」と聞けば、まずはこの一枚岩の姿が思い浮かぶんだろうなぁ、なんてことを考えたりした。
それくらいの存在感だし、子供の頃にこんな場所で遊べたら、楽しくて仕方ないような風景だ。


撮影日時 190329 14時~14時50分
地図


最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Jun)
2019-04-28 09:18:42
 おはようございます。
 
 中学生時代、みなべの母の実家に夏休みに滞在した時、伯父が古座川へ行こうと言いました。私は体調が良くなかったので行かなかったのですが、母と妹、従妹が出かけて、一枚岩の河原で水遊びをしている写真が残っています。あの時、無理しても行っておけば良かったなぁと思います。伯父も従妹も今はこの世にいません。
お写真を拝見して、自身が見なかった光景を何故か空想で思い出していました。

桜、綺麗ですね。川に水がないのは残園ですが、美しい絵になっています。背景の山が暗く写っているので、桜の白い花が映えています。

昨日の北播は寒くて、天気予報では晴れだったのに、実際は時々豪雨、所により雹、千ヶ峰に登った同僚は濃霧で視界ゼロ、猛吹雪で寒かったと下山してお昼に出会った時に言っていました。
GWは毎年山の事故のニュースを聞きますから、野外に出かける人は気をつけて欲しいですね。
返信する
Unknown (hiro1jz)
2019-04-29 11:30:12
Junさん

おはようございます。

大切になったであろう思い出から自分が抜け落ちているのは、
少し寂しくて、やるせない気持ちになりますね。
長く生きれば生きるほど、沢山の選択肢があって、
その選択から零れ落ちた可能性や思い出も増える一方です。

この日、青空は殆ど出なかったのですが、
この公園にいるときは、それなりに日差しが強く、桜を輝かせてくれました。

ここ数日、気温は低めでしたが、千ヶ峰は雪でしたか!
いくら標高千メートルとはいえ、異常ですね。

ゴールデンウィーク中、一回だけ出掛けるのですが、
丹後か南紀かいまだに迷っています。
丹後は棚田と海が中心。南紀は滝、神社、廃校など。
予定日の天気は良さそうなので、海と青空が撮れそうだから丹後に、
と気持ちは傾いていたのですが、人出は多そうだし、
棚田の水入れもまだのところがありそうだし……。
返信する
明石の神社 (Jun)
2019-05-03 13:07:49
こんにちは

GWはお金がないし予定もないので、近場で遊ぼう! で明石に久しぶりに行ってきました。
ネットで見て、いいなと思った魚住の住吉神社が目的地でした。
雄略8年創建の古社で住吉神社発祥の地だそうです。
御神木の藤が満開で、予想以上に参詣者が多く、駐車場は満車、人もいっぱいでした。
連休を外せば、きっと静かな良いところでしょうね。
海岸を散歩して、それから明石駅前で食事。どの店も行列が出来ていて、いつから明石はこんな観光地になったのかと思いましたが、明石公園で明石市内の布団太鼓の屋台が集結して令和の始まりのお祭りをしていたようです。それにしてもスーツケースを引っ張った人の多かったこと。
行列のないお店を見つけて食事をしました。漁師の家族がしている小さな店で美味しかったです。
その後、林神社と言う式内社に行ったら、誰もいなくて静かでした。でも神社もあまり面白くなくて(苦笑
江井ヶ島酒造で地ビールを買って帰りました。

丹波も但馬も交通の便がよくなる程に人が増える気がします。
キリシマ神社で有名な氷上の一之宮神社、まだ花がほとんど咲いていないのに観光バスが連日来るそうです。同僚が氏子で、「詐欺みたいなもんや」と苦笑していました。
見頃はGW終盤ですね。
返信する
Unknown (hiro1jz)
2019-05-04 18:41:47
Junさん

こんばんは。
私はまたまた南紀に行ってきました。
天気が良くて気持ちのいい一日でしたが、満足のいく写真は撮れず。
次こそ丹後に行くつもりですが、とにかく晴れの日に、と決めているので、どうなることやら。

住吉神社、境内から鳥居を見ると、海が見えて気持ち良さそうですね。
藤はもう満開でしたか。
それにしても、明石がそんなに賑わってるとは意外でした。
南紀も主要道はサンデードライバーでいっぱいでしたが、
少し外れたところにある神社なんかは、いつも通りひっそりしていました。

あそこのキリシマツツジ、いつか見たいと思いつつ、
有名になってしまって人が多いから、もう行かないだろうなぁ。
ネットの普及で、穴場的なところはどんどん無くなっていきますね。
返信する
hiro1jzさんの二番煎じです。 (kuzu_araragi)
2019-05-04 20:16:26
昨日、天気も良く運動不足もあって吉村家跡防風林へ
行きました。R733が工事中で迂回路(神納川の中)を
通ってちょうどバス停の所に上がってきました。そこに車を停めていざ出発!おにぎり、お茶、おにぎりせんべい、トマトを持って吊り橋を渡り、hiro1jzさんの過去のブログと同じ景色を見ながら歩きました。災害復旧で川には重機がたくさんあって、十津川村は昔から「陸の孤島」って言われて災害があったら被害がすごく台風の時にはニュースの常連でした。避難勧告も出て、なかなか自分の家に帰れない人がニュースで取り上げられていました。R168から見える土砂崩れや道の崩落など行くたびに心が痛みます。20分くらいで防風林に着いて休憩。シャガの花がきれいで写真を撮ってラインのプロフィール写真にしました。ギンリョウソウが咲いていないか少し期待して行ったのですが、湿り気がなく風もよく通っていたので出会えませんでした。小さな虫が多く、おにぎりを落ち着いて食べれなかった。来た道(川の中の玉砂利)を戻って右手に
神社がありました。本来は上から下に降りてくるみたいで鳥居~階段になっていました。大きな川の横にあったら、台風の時には川の増水や土砂崩れで大変だろうなぁ~って思いながら参拝しました。「大宮神社」って書いていました。明治42年に4社合祀したって看板がありました。本殿には木彫りの狛犬が数体あって珍しかったのでしげしげと眺めていました。五條市から交通量も多く、銭湯の用意はしてきましたが気乗りがせず直帰。
携帯の万歩計を見たら18000歩歩いてました。
熊野古道ってけっこうハードですね。あなたのブログのおかげでいい景色に出逢い、心の洗濯をしています。
返信する
猿壺の滝 (Jun)
2019-05-05 10:54:58
おはようございます

お天気がよくて、昨日は但馬へ出かけました。
猿壺の滝を一度見てみようと思ったのです。
狭い急な林道を行きましたが、GWのせいか、ネットで有名になったせいか、車も人も多くて、こんな山奥でなんで? と思いましたよ。
滝自体はまだ木々が芽吹いたばかりで苔も時期が早く、期待したほど綺麗とは思いませんでした。時刻も正午だったので、光の向きもあるでしょうね。
それに先輩諸氏の綺麗な写真をたくさん拝見したので、実物を見てがっかり・・・のパターンに近かったです。
でも道中、大小の滝がたくさんあって楽しめました。
私はお面ヶ滝が一番気に入りましたよ。形も水量も高さも、よかったです。残雪もあって、滝と一緒に撮影しました。

帰りは鳥取経由で、智頭に行きました。諏訪神社の彫刻が良かったです。
他にはあまり見るものがない観光地でしたけどね。

明日は篠山へ行きます。
返信する
Unknown (hiro1jz)
2019-05-05 12:50:13
kuzu_araragiさん

おお、吉村家跡防風林に行かれましたか!
また行きたい場所の一つですが、体力的にキツイです(笑
あそこはまだ復旧工事をしているんですねぇ…。
私もR168を通る度に、大規模な土砂崩れの跡に心が痛みます。
ただ、同じように険しい地形、雨量でも、R169の方は土砂崩れがあまりありません。
これは植生の違いが大きいようで、やはり植林地帯は崩れやすいようです。

今はシャガが見頃ですね。
私もkuzu_araragiさんが出掛けられた1日前に、
十津川周辺を周っておりまして、あちこちでシャガを見かけました。

その神社は、吊り橋より少し下流側にある神社記号でしょうか。
私が吉村家跡防風林に行ったとき、
立ち寄りたいと思っていながら行けなかった場所なので気になります。
木彫りの狛犬、見てみたかったです。

私も色んな人のブログやホームページを参考にしています。
そこに自分なりの解釈や発見があればいいかなぁ、と。
返信する
Unknown (hiro1jz)
2019-05-05 13:34:51
Junさん

あそこは6月くらいがいいと思います。
緑いっぱいになると、庭園のような美しさですし、光はやはり朝がいいですかね。
でもまあ、写真映えのする滝なのは確かです(笑
苔滝の上流の滝を見なかったのが心残りですし、近くに岩井谷大滝というのもあって、
これもいつかは見たいものの、どちらかといえば沢屋さんの領域。
それに。あの辺はクマが怖いです。

このゴールデンウィークは、南紀の一回のみ。
あとはダラダラと家で過ごしてます。
返信する

コメントを投稿