神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

若宮神社

2019年04月13日 | 和歌山県

和歌山県東牟婁郡古座川町添野川


古座川町に入るのは久しぶりだ。
もしかしたら、古座川源流にある植魚の滝に訪れたとき以来かも知れない。
そうだとすれば、十年ぶりということになる。
前回の記事では、すさみ町では海岸部に目が行ってしまうと書いたが、古座川町だと滝や渓谷に目が行く。
南紀は神社の数も少ないし、見たい自然景観が多くてなかなか神社に辿り着けないが、今回、古座川町では二ヶ所の神社に寄る予定だ。
古座川町の神社は、掲載どころか、訪ねるのも初めてである。

この若宮神社については、ネット上で、苔の神社と書かれているのを目にした。
苔は好きだし、調べてみると、もう一つ好きな要素が見つかった。
吊り橋である。



添野川沿いの道を少し遡ると、道路沿いに「苔の若宮神社」と書かれた木の看板がある。
神社は対岸にあって、車道から階段を降り、吊り橋で向こう岸に渡った先にある。



吊り橋を渡って参拝する神社なんて、全国にどれくらいあるのだろうか?
恐らく数えるほどしか無いと思うし、吊り橋だけでもワクワクするのに、更に神社と苔がセットである。
が、後で写真を見るまで気付かなかったのだが、これは吊り橋のコンクリート支柱が残っているものの、下には鉄製の橋脚もあるし、そもそも吊っているロープが無い。
渡っている時に気付かないとは、何ともマヌケな話である。




橋の下を流れる添野川は、上流に民家はあるものの、澄んだ綺麗な流れだ。



橋を渡り終えると、道は左右に岐れた。
神社は右だけど、左に続く苔生した小道に惹かれる。
少し進むと簡易トイレがあった……。



そこから神社の方を見る。
参道と言うほどのものは無いし人工物も多いのだが、苔のお蔭か、とても雰囲気はいい。



川に向かって、朱の鳥居が緑の中に立っている。



私は撮影をするので歩みは遅い。
だからいつもT君が先行するのだが、そのT君が、「苔はまあまあっすね」と言う。
まあまあがどの程度のものか判らないが、とにかく見てみようとすると、「まあまあじゃなくて、けっこう凄いっすわ」などと評価が変わる。
実際に見てみると、範囲はそれほど広くないものの、ふかふかの緑の絨毯があった。



緑の中で、朱の鳥居だけでなく、朱の拝殿も映える。



けっこう新しく見える拝殿に、少し嬉しくなる。
いつもなら古びていた方がいいと思う筈だが、山奥にある神社が活気づくのは喜ばしいし、南紀らしい石垣とその緑の深さに、朱色の拝殿は似合う気がした。



本殿も、それほど歳月は経っていないように見える。
拝殿が朱色で本殿がそうではない、という取り合わせは、あまり記憶には無い。
が、独特の美しさを感じた。



吊り橋では無かったが、苔と、山奥にしては華やかな社殿は、期待以上に楽しませてくれた。
次の神社は、更に山奥である。


撮影日時 190329 11時40分~12時5分
地図


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2 コメント

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Unknown (Jun)
2019-04-14 08:27:55
おはようございます!

素敵な神社ですね!
余計なものが少なくて、静かで綺麗です。
苔の絨毯を踏むのは勿体無い気がします。
朱色も美しく撮れていますね。
光線の具合によってはつまらなく見える色なのですが、これは本当に美しく輝いて見えます。

昨日は今度こそ平成最後のお花見のつもりで丹波地方を走ってきました。どこも人が多かったですが、最初の春日町歌道谷の船城神社は誰もいなくて、山桜が静かに咲いていて、とても良い雰囲気でした。あの神社、好きになりました。
石才の舟城神社にも行きました。こちらはソメイヨシノ満開でしたが、犬がうるさく吠えていました。
彫刻がたくさんあって、見るものは多いですが、やはり船城神社の方が好きだな、と思いました。
夕方まで方々に行きました。イタチを見たり、猿の集団に出会ったり、小さな足元のお花が可愛らしかったり、滝を見たり、と春を堪能しました。
たくさん撮影してしまったので、少しずつアップします。

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Unknown (hiro1jz)
2019-04-14 21:57:02
Junさん

こんばんは。
ここは予想以上に良かったです。
何より居心地が良くて、せせらぎを聞きながら「ぼー」っとするのにいいです。
朱も緑も、沁み入るように鮮やかでした。

随分たくさん周られましたね。
でも何より船城神社が素晴らしいです。
花の薄桃色から葉の朱色へのグラデーションが美しくて、
やっぱり山桜はいいなぁと思いました。
私自身、ブログに桜が多いと書いていましたし、
桜の時期に行ってみたいと思っていたので、
こうして見られて良かったです。

それにしても、私の方は今年はまともな桜に出逢えず終いでした。
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