京都府京丹後市丹後町筆石・竹野
丹後半島の神社には行ったことが無い。
久しぶりに海の写真も撮ってみたいし、朝に家を出て丹後へと向かうことにした。
途中、瑞穂の道の駅でトイレ休憩。
トイレの中にツバメの巣があって、賑やかで和やか。
ふと思い立ってタイヤのチェックをすると(家を出るときにすべきだが)、前輪の内側がツルツル状態。
というか、ゴムの下地まで露出していた。
今日一日くらいは大丈夫だろうけれど、テンションが大いに下がる。
宮津市に入って二つの神社に立ち寄る。
そのうち一社はシイの大木などがあって雰囲気が良かったが、日差しが強くまともな写真が撮れない。
夏の日中はずっとこんな調子だろうし、神社の撮影は諦めた方がいいかも知れないと思うと、かなりモチベーションが下がる。
ただ、私の住む阪神間とは違い、嫌悪するような暑さではなく、木陰は過ごしやすかった。
と、思いきや、車のエアコンがおかしくなり、温度設定をどれだけ下げても温風が吹き出してくる。
車載の温度計では外気温は34度だが、外の空気が涼しく感じられるくらいだから車内は蒸し風呂状態で、僅かに残っていた気力が萎える。
もう神社へは寄らず、一路、海へ向かうことにした。
どういうわけかカーエアコンが機嫌を直し、車内が冷えてきた頃、目的地の一つである屏風岩に着いてしまった。
次にエンジンをかけるときにはまた機嫌を損ねているかも知れない、と思いつつ、海辺なら暑さもそんなに苦になるまいとエンジンを切る。
国道横の駐車場所から屏風岩を望む。
というか、丹後の海がこんな綺麗だとは思わなかった。
思わず「うみーっ!」と叫びたくなるが、近くに民家もあるので自重。
事前にネットで写真を見たときに、屹立する岩と対照的な長閑な田畑がすぐそばにある、というのが魅力的に思えたのだが、実際に見ると予想以上に素敵だった。
当然、田圃のそばまで行く。
断崖の上にある、ささやかな田圃から大海原を望む。
畑からも海。
思いのほか遠浅の海は、驚くほど鮮やかな青で、どこか南国の海のようですらある。
とても爽やか、に見えるのだが、実は風はそよとも吹かない。
海辺とは思えない無風状態で、容赦の無い日差しに汗びっしょりになる。
夏の海辺は、コンクリートの白い道がよく似合う。
どこまで続いているのか辿ってみたくなるものの暑さに負けて諦める。
海と葱畑と木の電柱。
この道も、どこまで続いて・・・・・・まあ来た道を帰りに撮っただけなのだが、この程度の登りがツライ。
一旦、国道に戻り、少し西側へと進む。
駐車場所のある高台から、ちょっと気になる道が見えていたからだ。
予想通りの構図が目の前に現れる。
ビニールハウスが目障りなようなアクセントのような・・・。
海へと一直線に続く道、ではなくて、ここも断崖の上なので、すぐ先で道は途切れている。
ただ、左へと続く道がある。たぶん、海岸へと続いているはずだ。
景色を見ながら、「あー、いいなぁ」という感想と、「あっちぃ、やってらんねー」という感情が交錯するけど、半ば義務感のように先に進んでみる。
急な坂道を下ると、目の前に海が見えてきた。
海岸に降り立つ。
相変わらず風は吹かず、波も琵琶湖と変わらないくらい。
でも、水は綺麗なので一人でちょっとハイになる。
こういう場所に来ると、いつもは寝そべって暫くぼーっと空を眺めるのだが、焼けたコンクリートに寝そべる勇気が出ない。
ただ、海も空も綺麗で、やはりぼーっと眺めてしまう。
ぼーっとするのは暑さのせいかも知れないけれど。
名残惜しいが、クーラーの恋しさが勝ったので車へ向かう。
危惧した通り、再びカーエアコンは機嫌を損ねていたが・・・。
取りあえずは車を出して、峰山町にある神社に行き、そこから戻ってくるような感じで立岩に寄った。
国道沿いにある駐車場はどこも有料。
国道から外れて川沿いの狭い道に入り、立岩のすぐそばまで行ってみるが、そこも有料駐車場になっていた。
料金を見ると「一日千円」となっている。
こっちは数十分だけ駐車するつもりなので、それで一日分取られてはたまらない。
よし、値段交渉して300円くらいなら駐車しよう、と思ったが、誰もいない。
それどころか地元の人と思しき車が入ってきて、無造作に車を止め、そのまま釣り道具を持ってどこかへ行ってしまった。
私も撮影道具を持って立岩へ行くことにする。
狭い砂浜のすぐ先には立岩が見えている。
屏風岩では屹立する岩と田畑が対照的だったが、ここは屹立する岩と砂浜が対照的。
ただ、想像していたよりスケールは小さかった。
それでも見事な岩であるのは確かで、周りには誰もいないし、ちょっとはしゃぎたくなる。
陽は西に傾いたものの暑さは残っている。
でも立岩の上に広がる空は、何だか秋の空みたいだ。
最初はここで夕暮れを撮ろうと思っていたのだが、太陽の方角がイマイチなのと、海の表情が乏しいので、先程の屏風岩で夕暮れを迎えようと決めた。
岩の上では、ユウスゲの黄色い花が咲き出していた。
屏風岩へと向かうことにする。
撮影日時 110714 屏風岩1320~1420 立岩 1810~1840
2万5千分1地形図 網野(屏風岩 立岩)
駐車場 あり
地図 (屏風岩 立岩)
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いや、もう、写真の繊細さと見識の深さにただただ感動です。
私には到底察せそうにない細かい自然の表情まで
汲んでおられて、もうただただ感動です。 ←2回目
丹後の海、すっっごくきれいですね!
小さい頃に行ったハワイの海を思い出しました。
本当に異国の地に来たような気分です。
それから白山神社(平泉寺)。
去年の秋に訪れたときの感動が蘇りました。
あそこは本当に心が浄化される場所ですよね。
ふかふかの苔ときらきらした透明の光が忘れられません。
こんな美しい写真を何枚も見たら
自分のふざけたブログが情けなくなります!
私のブログが潰れたら、それはひろきさんのせいですよ(笑)
色調がまるで別物のように違います(笑)
波の静けさも違うし
こんなに表情が変わるんだなって
当たり前のことなんですけど
改めて思います
水田に水を入れる季節になると、放水で田圃から海へ直接水が落ちる放水滝が見られるそうですね。
写真では見たことがありますが、一度本物を見てみたいです。
砂浜にカモメが一列に並んで数十メートル、カモメの行列ができていましたけど、見られましたか?
カメラに収めようとしたら、案外難しい構図でした。カモメは座ったり立ったり、だらだらしていて長閑な風景でした。
この気温では、エアコンを点けても車外の方が涼しく感じることはよくあります。
私の車もエンジンをかけて暫くは温風が出ますよ。自動車もいたわってあげないと帰れなく恐ろしい季節です(笑
わー、こちらこそ来て下さってありがとうございます。
しかも二回も感動していただいて(笑
というか、写真は自分なりに頑張ってはいるものの、
見識が深いなんてとんでもない。
いつもただの感想文みたいなものしか書けず、もどかしく思っています。
ハワイ・・・なんというリアjy(笑
私の連想はせいぜい沖縄までしか飛べませんでした。
で、沖縄の海のようだ、と書こうとしたんですが、
考えてみたら沖縄にすら行ったことないし・・・(笑
えっ、白山神社に行かれてたんですか!?
そういうの、何だかとても嬉しいです。
自分が好きな場所で、同じような感動を抱いた人がいると思うと、
その感動が更に広がるようで。
いやいや、私は期待してますよ。
これからどんどん上達されるでしょうし、
まだまだ新鮮な感性があるのですから。
また暇なときにでも遊びに来て下さい。
>幽黙さん
撮影が10月ということで、太陽の位置がだいぶ南寄りのようですね。
私の時は、岩はかなりの部分がシルエットになってますが、
ほぼ全面に光が当たってますね。
波もちゃんと白波になってますけれど、
撮影条件としては順光すぎて厳しそう。
でもこれが立岩だという感じです。
私のは立岩らしくないような・・・。
>Junさん
その滝の存在は知っていましたが、自然の滝とは言い難いので・・・。
普段でも、田圃に引かれている水が、用水路を通って排出されてますので、
ちょろちょろ程度の水は海へと落ちています。
大雨の後とかでないと絵にならないでしょうね。
海へと降りる道沿いに、こちらは天然と思える小さな滝がありまして、
岩が抉れ、裏見が出来そうな滝でちょっと面白かったのですが、
水は綺麗じゃないし、草もぼうぼうで撮りませんでした。
カモメは全く見ませんでした。
どうも私は、あらゆる動物が被写体になってくれないようで(笑
え、それってエアコンの不調では?
私の場合、通常はあっという間に冷たい風が出てきてすぐに冷えますよ。
アイドリング状態の場合は、少し時間がかかりますが。
まあもうすぐ15万キロなので、労わらないと、ですね。
るなんて!これは無茶苦茶良いです。凄く気持ち
良さそう。15枚目なんか山下達郎のjody歌いたく
なりそうだなぁ。12枚目も綺麗だぁ~。
立岩は残念でしたけど凄く泳ぎたくなるような海
の写真ありがとう~。
エコタイヤは燃費も持ちも良いんですがカーブ攻め
るの怖いですよ。それに普通のタイヤの方がまっす
ぐでも安定感ありますよ。
抜かれそうになるとベタ踏みしますよね。
この前メガーヌには圧倒的な敗北しました。
越前良いですよね。正直大瀧より北の方は、そんな
に期待していなかったんですが思ったより良いん
ですよ。苔は、このエリアは豊富ですよね。
hiro1jzさんも雄島の大湊挑戦いかがです?入る
ときは少しゾクッとするかもしれませんよ。
これが結構温かすぎるんです(笑
道が海に向かって延びて途切れているところ、私もあそこはいいな、と思って「すごい場所あったよ」って同乗者に言った覚えがあります。
「じゃ、引き返すか?」って言われたんですけど、引き返して撮影するのと、見つけた瞬間に撮影するのとは違うと、私は思っているので、引き返しませんでした。変な理屈でしょうね(苦笑
あの辺り、ハヤブサが住んでいるでしょう。
去年は経ヶ岬でヒナが二羽断崖にいました。
それから、ああ言う崖では、トンビが目の高さで飛んでくれるので、いつか撮影したいなって思っていますが、視力の良い鳥はすぐこっちに気がついて、サッと翻って飛んでいってしまうので。
撮ってる本人は青春どころか暑さにだらけまくってたんですけどね(笑
でも、晴れた日の日中に撮るならこんな感じ、
というイメージ通りに撮れたので満足です。
それに、そんなに喜んでもらえるなら大満足。
タイヤの減りが遅い=グリップ力が無い、ですもんねぇ。
路面に食いつくタイヤは、どうしたって柔らかめのゴムで磨耗も早いですよね。
メガーヌにあまり速いイメージは無いんですが、やっぱり乗り手次第ですね。
上手い人はカローラでも速いですし(笑
私は奈良の峠でBMWにやられました。
コーナリングスピードが違いすぎる・・・。
越前市より北は、行くには厳しいですねぇ。
因幡に行くのとほぼ同じ距離なんですが、
交通量とか考えると因幡の方が行きやすいですし、鄙びてもいますし。
神社そのものは、たぶん越前の方が見事なんでしょうけどね。
ゾクっとしたのって、三重の山中にある小さな神社だけかも。
>Junさん
一回目のコメントでおっしゃった、エアコンに関する最初の二行も、
エンジン始動直後の話なのでしょうか。
ブログ本文の話の流れから、てっきり通常作動時のことだと思いました。
始動直後なら、当然そうなりますね。
通常作動時なら外気温が36度だとしても、設定温度次第で寒くもなりますし。
そうでは無いのなら、エアコンガスが足りないとかになってくるんでしょうけど。
私の場合は温度センサーとかの故障かなぁ・・・。
見つけた瞬間に撮るのと、引き返して撮るのは違う、
というのは判るような気がします。
でも、車だと大抵通り過ぎてしまうような(笑
私は引き返すかどうかは、その場所の良さ度合いもありますが、
道路状況によるところが大きいです。
隼は気付きませんでしたが、
鳶はちょうど目線の高さで飛んでいて、ちょっとだけ車と並走しました。
岩場では海鵜がじっとしていたので、あれなら撮りやすそうなんですが、
鳶は難しそうですね。
たしかに撮った本人は暑さでグロッキーでしょうが
まるでコマーシャルやプロモのような綺麗な写真
は良いですよ。いつものhiro1jzさんのゾクッとす
る感じじゃないのも面白くて好きだなぁ。
the夏ですよ。
柔らかいタイヤは乗り心地良いし経済的だけど
面白くないんですよね。
メガーヌ早いですよ。とくに最初のスタートダッシ
ュは尋常じゃないですよ。
カローラは加速弱いんですよね。それと坂道は駄目
ですよ。BMはスポーツ・スピリッツ強いから本気
になると性能の差でますよね。ポルシェも凄いで
すよね。
越前より北は自分もしんどいと思ってパスしていた
んですがツレが行きたいっていうんで行ったら意外
と楽でしたよ。hiro1jzさんの位置だと大変。たし
かに因幡選ぶなぁ。因幡また行きたいなぁ。甘露は
気合入れて写真撮りたいですよ。
人気のない祠とか怖いことありますよ。山中の元
巨大神社なんかは意外と感じ良いんですけどね。
どこか遠出されてるのかと思いましたが、お仕事でしたか。
私は来月下旬頃から忙しくなりそう・・・。
私自身はこういう写真は結構好きなんですが、
いわゆる観光写真という評価で低く見られることも多いです。
実際、渓谷や神社を撮るよりずっと簡単なんですが、
すっきり明快で、撮っていて気持ちいいです。
まさにthe夏、あるいはthe海という感じですよね。
へえ、メガーヌって出足がいいんですか。
私の車は0-100km/hがカタログスペックで6秒7なんですが、
出た当時は凄かったものの、最近はもっと凄いのがバンバン出てますし、
GTRの3秒台とかバケモノみたいな車もありますし・・・。
ポルシェで飛ばす人ってあまり見ないです。
やはり高い車ですから余裕の走りなんですかね。
BMとかはスペック値じゃ計れない性能を秘めてますよね。
ボディ剛性とか安定性とか・・・。
鳥取は結局10社しか行ってないので、まだまだ未知な感じなんですよね。
越前はともかく若狭はたくさん行ってますから、
福井としてはあまり新鮮さは無いですし。
甘露、また行きたいなぁ。
うーん、やはり私は鈍感なんでしょうね。
怖さという意味でのゾクッというのは滅多に無いですね。
でもまあ、あまり怖い体験はしたくないです(笑