奈良県吉野郡上北山村白川
去年から何度か尾鷲方面へ行く計画を立てているのだが、その度に、天気が思わしくなかったり、他に行きたい場所を見つけて気が変わったりで行けないままになっている。
今回も同じパターンで、天気は終日曇りの予報。
海を撮るなら青空がいいから、尾鷲は断念して行先変更、でも、かといって北部の天気が良いわけではなさそうなので、海はともかく、南へと向かうことにする。
まずは、尾鷲に行く計画段階で、寄ろうかどうか迷っていた千尋の滝へ向かう。
過去に掲載したことのある滝だが、もう9年も前のことだし、手軽に行ける滝としては相当な規模のものだから、T君にも見せておきたい。
もっとも、T君が滝好きというわけではないけれど。
国道169号線から425号線に入る。
T君は寝不足なのか疲れているのか、少し前から助手席で眠っている。
169号線からずっとカーブが多かったし、425号線は林道のような国道なので、T君の首が前後左右に振られる。
もうそろそろ起そうかな、と思っているとT君が目を覚まし、開口一番に言った。
「いやぁ、もうちょっとで寝るとこでしたわー」
「………。」
廃小屋のあるところに駐車し、その小屋の脇から山道に入る。
滝までは15分ほどの道のりだ。
特に険しいところは無く、谷川に沿った樹林帯の中の道を抜けると、眼前が開け、千尋の滝の全容が目に飛び込んでくる。
T君が歓声を上げる。
滝に興味が無くても、これは普通の反応だろう。
こういった大きな滝は、青空を背景にすると映えるし、実際、前回はそういう写真を撮ったが、今回は曇天なので、空を入れないように撮る。
ただ、ここ最近の濁った空気ではなく、曇天であっても光と影にメリハリがある。
そりなりに高速シャッターも切れる。
この滝は、上部から中間辺りは高速シャッターが似合うように思う。
T君に滝の前に立ってもらう。
これでも滝の手前10メートルほどだが、滝の大きさがある程度判るだろうか。
滝の下部はスローで撮ると、豪快な姿が意外と神秘的な表情に変わる。
前回は青空で、しかも滝に虹が出ていたけれど、今回のほうがいい滝に見える。
滝の右側に移動する。
手前の岩が邪魔で、近づかないと滝壺が見えないのが残念。
普段より水量は少なめだろうか。
風も無いし、近づいてもあまり水飛沫は飛んで来ない。
正面から。
滝壺はそれほど深くないが、やはり滝は滝壺があった方がいいなと思う。
所々でサツキが咲いていた。
滝とセットで撮りたかったが、都合のいい場所では咲いていない。
サツキ、アワモリショウマの蕾、ゼンマイの葉。
滝の近くから下流を見ると、緑いっぱいの谷川の風景。
水面にも緑。
こんな風に水を撮るのは久しぶりで、とても楽しめた。
ここは以前に比べて、だいぶ知られるようになってきたようだが、ゴミも見当たらなかったし、ちょっとした秘境気分が手軽に味わえるのが嬉しい。
撮影日時 180529 10時20分~11時30分
地図
ここはお奨めです。
この規模の滝で、有名ではなく、それでいて手軽に行けるというのは、なかなか無いと思います。
滝姿も悪くないし、周囲の環境も、送電線が近くに見える以外はいいところです。
色んな表情も狙えるので、撮影も楽しいです。
ただ、そもそも奈良県南部への道のりが長いですよね。
飛沫は、今回はたまたま水量や風向きの関係で飛んで来なかったのかも知れません。
前回は結構な水飛沫だったように思います。
ここだけを目当てに行くには遠すぎるでしょうが、
南紀は見所いっぱいですから、他と絡めてぜひ行ってみてください。
あ、ネットで調べると、一部の記事でヤマヒルがいるとの記述を見かけます。
私は見ませんでしたが…。
大きくて優美で、でも豪快で!
高速シャッターとスローシャッターを滝の部分で使い分けることができると言うのは、滝が大きいからですね。
低い滝だと拡大で近づけないといけないし。
滝音が聞こえて来そうです。
飛沫が飛んで来ないのも良いですね。
要滝の時は低い滝なのに飛沫が凄くて側へ近づけませんでした。
観光地になってしまっている滝は滝壺へ近づかせてもらえないしね。
南紀に行く時間が欲しいなぁと思いました。