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社会理論・現代思想を主に研究する今野晃のblog。業績については、右下にあるカテゴリーの「論文・業績」から

フランス大統領選挙:第一回討論

2017年03月22日 | 社会問題
 フランスで4〜5月に投票される大統領選挙の話である。

 ついこの前に主要候補者の5人でテレビ討論が行われたが、日本の報道では(というか、当初は仏の報道でも)、中道独立候補のマクロンがリードして、それに極右候補のマリー・ルペンが続くといった主旨の報道がされている。

 が、視聴者に対する調査では、実際の討論で一番説得的だったのは、急進左翼候補のメランションらしい。私も下の討論の映像を途中まで見たが(三時間以上で長いので、今は見る時間が……)、たしかにメランションが場を支配している。

Présidentielle: Revoir le Grand Débat (TF1) en intégralité


 例えば、難民問題に対して、ルペンが、国境を閉ざせ・領土を守れ、フランス人のため主権云々と主張しているのに対して、メランションは、現実に戦闘や内戦があって、多くの人が、自分たちの生活する場所から、自らの意志に反して逃げてこざるを得ない状況にある、そうした人々を海に投げ込むのか? この問題には各国が協調して、真正面から取り組むしかないといった主旨のことを言っていた。

 こうした意見を聞くと、「国境を閉ざせ」といった主旨の主張が、いかに現実から目をそらしているかがわかってくる。

 が、投票行動となると、メランションは討論に参加した5人の中では一番下で13%ぐらいだろうか? 個人的には、社会党左派のアモンと組めば、第二回投票まで残れなくもないのだが(ただし、事前の世論調査では、ルペンvs.アモンでは、ルペンに軍配が上がる)、今日の様子を見ると、アモンが身を引いてメランションが残った方が、という気がしなくもない。


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