犯罪被害者の法哲学

犯罪被害・刑罰・裁判員制度・いじめ・過労死などの問題について、法哲学(主に哲学)の視点から、考えたことを書いて参ります。

湯川秀樹著 『旅人』より その1

2014-10-09 23:15:41 | 読書感想文

p.122~

 少年が、当然一度はつき当たるべき暗礁――人生とは何か? という問題を、私に向って提起した者は、たしかにトルストイだった。今では「人生論」の中に、何が書かれていたか、具体的には思い出すことも出来ない。改めて、読んで見ようとの思わない。が、私もまた考え始めたのである。「人生とは何か?」と。

 少年期のこのような思考の第一の段階は、人間には悩みがあると、気づくことである。次には、自分の心の中から、悩みをとりあげて見るようになる。意識的に自分の悩みをとりあげて見る時、その少年は自分の内部だけでなく、この世の中に、この世の中のありとあらゆる人の内部に、悩みのあることに気づいているのである。


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 今回の日本人3氏のノーベル物理学賞受賞について、文系人間の私には青色発光ダイオードの何たるかはチンプンカンプンですが、同じ日本人として誇らしく思います。また、例によって受賞者の謙虚なコメントにも唸らされますし、中村氏だけは歴代の受賞者と雰囲気が異なるのも面白いです。

 しかしながら、今回の「日本列島が歓喜に沸く」「お祭りムード」については、私はとにかく割り切れない思いが強いです。それは、前日までどのマスコミも御嶽山の噴火のニュースに多くの時間を割いていたのが、突如として消えてしまい、まるで犠牲者や行方不明者まで一挙に消えたような感じを受けたからです。

 テレビに映るコメンテーターの表情を見ると、御嶽山のニュースの時には厳しい表情を意図的に作っていたことや、「本当は明るいニュースのほうが楽でいい」という本音が垣間見えて、マスコミが作る世の中の空気は本当に軽くて残酷だと思います。暗いニュースは、今回はちょうど賞味期限切れだったという話です。

(続きます。)

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