犯罪被害者の法哲学

犯罪被害・刑罰・裁判員制度・いじめ・過労死などの問題について、法哲学(主に哲学)の視点から、考えたことを書いて参ります。

民主主義の小学校

2008-10-05 00:46:40 | 国家・政治・刑罰
【憲法のテキスト】

地方公共団体と言い得るためには、単に法律で地方公共団体として取り扱われているということだけでは足らず、事実上住民が経済的文化的に密接な共同生活を営み、共同体意識を持っているという社会的基盤が存在し、沿革的に見ても、また現実の行政の上においても、相当程度の自主立法権、自主行政権、自主財政権等地方自治の基本的な権能を付与された地域団体であることを必要とする(最高裁判所・昭和38年3月27日大法廷判決)。

それでは、憲法上地方自治制度が保障されているが、かかる保障の法的性質をいかに解すべきか。思うに、地方自治制度の保障によって、地方の実状にあったきめ細かな政治を実現することができる。しかも、権力を地方にまで分散すれば、中央権力の強大化防止にも役立つ。このような理由から、憲法は間接的に人権保障を行うための制度的保障として、地方自治制度を定めたと解すべきである。その地方自治制度の侵すべからざる核心を「地方自治の本旨」というものである。

そして、上記地方自治の本旨の内容は、地方自治が住民の意思に基づいて行われるという住民自治(民主主義的意義)、さらに地方自治が国から独立した団体に委ねられるとする団体自治(自由主義的意義)からなると解する。その中心は住民自治にあり、住民自治実現の担保として団体自治が保障されるという関係にあると解する。イギリスの政治学者ジェームズ・ブライスは、「地方自治は民主主義の小学校である」と述べたが、地方議会は住民にとって地方自治は最も身近な政治参加の場所であり、民主主義社会への入口である。


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【実践編】

ネットで「美人すぎる議員」として人気が爆発した青森県八戸市の藤川優里議員(28)が、11月19日にDVDと写真集を同時発売することがわかった。藤川市議は、「八戸の観光名所をPRできるのなら」との条件付きで承諾し、胸の谷間が露わな水着姿も披露している。これに対して、八戸市役所には抗議が相次いで寄せられ、藤川市議の後援会長は「もうついて行けない」として後援会の解散を明言するなどのトラブルも起きている。藤川市議は、平成19年4月の市議会議員選挙において、初立候補で、2位の3665票の倍近い6962票を獲得してトップ当選した。これは、八戸市議選史上最多得票であった。


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【憲法のテキスト】

21世紀の地方自治の前進に向けて、住民自治の発展のためには、地域社会における住民の自己決定権の尊重を基本に考えるべきである。それでは、地域社会に民主主義を根付かせるにはどうすればよいのか。それは、市民が政治の主役であるという意識を持ち、有権者としての責任を投票によって果たすことである。一人ひとりが選挙に行けば、必ず社会は変わる。政治のすべての原点は、一人ひとりの参画によるプロセスからなる民主主義なのである。