お寺さんぽ Ver.03

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馬頭観音 (仏像・観音)

2006年11月02日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は石仏のお話でちょろっと登場した「馬頭観音」です。

観音様で唯一(と思う)憤怒相の馬頭さま。
なにか気に入らないのか、怒っておられるんですね。
そんな訳で「馬頭明王」と呼ばれたり、梵名をそのまま訳して「大持力明王」なんて呼ばれるそうです。
その梵名は「ハヤグリーヴァ」、これで「馬の頭をもつもの」というそのまんまな意味になります。
早食いうわぁ、とでも覚えて下さい。
まぁ、使う機会ほとんどないでしょうけれど(笑)

元々の役割も「魔性を破壊消滅させ、無知や苦悩を断つ」ですから、優しく見守る観音様というよりも明王の性格なんですね。
激しいです。
厳しいです。
…で、そんな馬頭さんはなにゆえ菩薩グループになってしまったのか?

……わかりませんでした。  (←だったら書くな)

古代インドでは悪蛇を退治する「パイドヴァ」とか、太陽の車を動かす「エターシャ」という馬神の信仰が強く、それがそのまま神格化されたようです。
軍事から日常生活まで馬が必須だったのは日本でも同じですよね。

本来は馬の顔に人の身体という、一瞬「ギョッ!」っとするお姿だったようです。
しかし、日本へ伝来するに従って姿は変化したらしく、人型で多臂、そして憤怒相の神様となります。

見分け方は頭上に馬頭があって、怒っている方です。
馬頭は大きく表現されているものもあれば、印程度となっている像もあるので注意深く見る必要があります。
基本的に多臂像が多いですが、一面二臂、一面四臂、三面二臂、三面六臂、三面八臂、四面八臂…など作例は統一感なく様々。
(※念のため。面は顔の数、臂は手の数です)
また、胸の前では特殊な「馬頭印」を結んでおられます。
両手の平を合わせ、左右とも人差し指と薬指だけを曲げたような感じですね。
わかるかな?
また、だいたい立像のはずです。

平安時代頃より流行しましたが、一般で広まるのは江戸時代。
石仏に作例が多く、交通・運搬で馬が必須だった時代にそのお姿から馬を護る神という性格が与えられたことに起因するようです。
ちょっと道端とか山寺を探すと、案外あちこちにあるはずですよ。
(※特に旧時代街道だったとこ)
逆に、お寺のお堂内でおとなしく鎮座される方はあまりいないと思われます。
細部まで彫り込まれた木像はけっこうレアめですよ。

「おん、あみりと、どはんば、うんはった」
これで家畜を救済するほか、健康にもなるそうです。
普段和ませてくれるペット(←それ家畜じゃねーだろ?)のため、唱えてみては如何でしょうか?



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