『カーテン越し 秋の夕陽の 十字光』
(かーてんごし あきのゆうひの じゅうじこう)
『月見酒 新月ならば なお旨し』
(つきみざけ しんげつならば なおうまし)
『草紅葉 歩けば道は 自ずから』
(くさもみじ あるけばみちは おのずから)
『底浅し 口耳四寸 秋の風』
(そこあさし こうじよんすん あきのかぜ)
『この道は いつか来た道 秋の色』
(このみちは いつかきたみち あきのいろ)
『我を追い 県を越したか 秋の鷺』
(われをおい けんをこしたか あきのさぎ)
『竜胆の 濃紫にぞ 意地がある』
(りんどうの こむらさきにぞ いじがある)
『学食の ラーメン定食 秋の昼』
(がくしょくの らーめんていしょく あきのひる)
『悪友も 俳句をやるや 竹の春』
(あくゆうも はいくをやるや たけのはる)
『皮一枚 命つなげる 熟柿かな』
(かわいちまい いのちつなげる じゅくしかな)
『藪から棒 烏飛び出す 秋の宵』
(やぶからぼう からすとびだす あきのよい)
『大学祭 山の名冠し 秋深む』
(だいがくさい やまのなかんし あきふかむ)
『人知らで 我のみ見ゆる 秋の鷺』
(ひとしらで われのみみゆる あきのさぎ)
『苔むして 野菊飾りし 墓のあり』
(こけむして のぎくかざりし はかのあり)
『何事も どうでもよろしく 暮の秋』
(なにごとも どうでもよろしく くれのあき)
『高速の 橋桁に絡む 蔦紅葉』
(こうそくの はしげたにからむ つたもみじ)
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