病院広報(はとはあと)評価支援情報

「はとはあと」は、市民の暮らしに必要な、誠実で適切な医療情報を評価し、支援することで参加施設の透明性と“信頼を高めます。

広報は「問題解決の思考」として使える

2017-10-06 18:17:30 | はとはあと最新情報

一般に広報における情報は、絶えず伝達することが大切であるとされています。計画的で系統的な情報提供は、信頼の向上など良好な計画となり、発信者の認識を広め深めるとされています。不可解な情報は、人の行動にとって思いのほか障害になるものです。行動の障害になるのではなく、人の行為を助ける役割を果たす情報のあり方が期待されます。

そこで頭をかすめるのは、病院などの医療機関を訪ねたときです。たとえば最近受診している眼科診療所の壁面の情報、多くはペーパーの、いわゆる「ハリガミ」の掲示情報です。壁面の空いたスペースのほとんどは、文字で埋まっています。掲示板や特設ボードに張り出しているケースでは、それほど気にはなりませんが、壁面やガラスのパーテイションに直接張り出してあることも多く、せっかくの良質を目指したデザインや室内設計など、室内はじめ施設の品位・品格や利用者へのまなざしのすべてが台無しとなり、残念でもったいない結果となっている例がよく見受けられます。

また、それと同じ風景を目が肥えた人や専門家がみれば、そこに経営の甘さ、不味さが透けて見えるばかりか、吹き出しているようにさえ見えてしまいます。毎日目に入るものは、それで当たり前の姿として通り過ぎてしまっています。問題とは、理想と現実のギャップを言います。この二つを一致する方向で思考・改善することを問題解決といいます。しかし、このような現実が認識されないのでは、いつまでも、何事も解決しないのでは、と心配になります。

問題が、まず正確に知覚されれば、それこそ問題はなくなります。問題の形を掴むには、そのための知識という道具が必要です。この診療所の場合、確かに掲示情報の印象が問題として浮上していますが、むしろ怖いのは、その性質が、より重要な医学的な問題と繋がっていないか、繋がりはないとしてもなにか関連はないのかとなど、探してみる必要もあるかもしれません。

医療機関では、こんな利用者がらみの問題の話となると、すぐに「アンケート調査」という話になりますが、それでは、公園の滑り台のようなもので、いつもの風景が広がっている認識で終わりです。本気で問題点を変えたいなら、まず自分による”独自の発想探求法”を”直感的”に考え、習慣化することが必要です。

そのためには、まず「広報とは何か」、「広報で何をするのか」を問い続けることが欠かせないポイントです。理想夢と現実像のギャップを知り、その二つを近づけるように考えることです。問題を誰にでもわかるように定義するには、二つのギャップから推察した問題解決をデザイン(定義)することです。広報は、感覚面からの問題解決機能として使うことができる。つまり捉われない多面てきな考えを用いるということです。また、広報によって必要な情報が満たされ、充分な環境が整うということも目指すべきでしょう。

予定より多少道がずれた感もありますが、いずれどこかで考えてみる必要のある広報課題として書いてみました。このテーマは、今後引き続き考えていくことにしますので、よろしくお願いします。