16.広聴とは、いわゆる広報の対立概念に相当する活動にあたる<×>
広報活動は、広報活動(伝える活動)+広聴活動(聴く活動)により説明されます。つまり、聴
くこと(モニタリング)を含む双方向が広報であり、その結果、双方の利益に向かって「変え
る」自己修正を繰り返すことで完結することです。広聴は広報の対立概念ではなく、必要条件と
いうことがいえます。
17.病院の広報は、広告規制をクリアするもっとも手近な方法である<×>
広報をしていれば、広告する必要がないとか、広報は広告規制をクリアする新手であるといった
説明がよく行われますが、これは全く本質を見誤った見解といえます。広報は、実態を正しく、
また、社会の利益を共有する価値観をもって「伝える」「聴く」「変わる」の循環を生み出す使
命をもつものです。
18.本来、広報活動の「実施する・しない」という議論はありえないことである<○>
「当院は広報活動はしません」とは、人の営みでいえば、「一切他人とはお付き合いしません」
というのに等しいことになります。広報を「する・しない」ではなく、社会とのつながりに対し
てどのようなスタンスをとるのか、そのことを明言し存在理由を明らかにすることこそが強く望
まれる時代です。
19.マスコミに「ニュース記事」を提供すると、よい広報になる<×>
マスコミとはより高次の交流や交換が求められます。社会性人間性の高い医療においては、とく
にマスコミ側からも高い関心が持たれています。このため、マス媒体を社会への対話の窓と考
え、情報を提供していくことが必要です。しかし、それは決して「記事の提供ではない」点を理
解しておくことが大切です。
20.テレビの取材には、気さくに何でも話す方がよい<×>
テレビに限らず、気さくで誠実、ありのままの姿勢は、信頼にとって重要な要素です。しかし、
個人的な事柄ならいざ知らず、公的組織を代表しての発言には、ただ個人の感覚だけで話してよ
いわけなく、あくまでも、組織の代表としての、ネライをもった内容の話をわかりやすく明快に
することが大切です。
よく読んで、自己採点してみてください。正誤よりもその背景にある知識体系や経験的な知識に
関心をもっていただくことが大切だと思います。病院広報がどうなのか、みなさまには、私たち
とは違って目の前に患者さんがいます。その人が広報をやって喜んだかどうか、そこに全ての答
えがあります。
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