Look To The Sky

フルーティスト大久保はるかのブログです

コーラの瓶と一升瓶

2014年07月10日 10時29分44秒 | 必殺練習方法

田村氏「大久保さんは歌口で吹く(ダメな)人です。」

田村氏「分かりにくいのであれば例えを言います。ここに中身の入っていないコーラの瓶、と、一升瓶があったとします。吹いて音を出そうとするなら、両者の吹き方は当然違いますね。例えるのなら、『歌口で吹く人』は、コーラの瓶を吹くようなつもりで一升瓶を鳴らそうと思っているような人です。」

田村氏「それを打破するイメージ訓練としては、『長いもの』を想像して下さい。」

私「えっ、長いって??縦に長く、じゃなくて、横に長いもの、ですよね?」

田村氏「当然ですよ!フルートは横に構えるんだから、横長であたり前じゃないですか!!!」

(本気で怒ってる・・・こわいぃ・・・)

田村氏「そう思って、もう一度H音、吹いてみてください」

・・・ウッ、シッ、・・・

ゲホっ!!

私「すいません、頭で色々と先に考えからだと、余計に吹けなくなります。すみませんが、今一度、何も考えずに音をだしてみて良いですか?」

田村氏「良いですよ。」

とりあえず、先ほどの難しい物理学的なお話は、聞かなかったことにして、自分が今、響きの良いコンサートホールの舞台上にいて、ホール全体にたっぷりと音の響きが行き渡るような感じをイメージして吹いてみることにした。

シーーーーーーー!

おっ!さっきの音と大分違ってきたぞ!

田村氏「さっきと比べて少し長さが出てきました。でも、まだ短いです。もーーっと長くして下さい。」

・・・ううっ、だめだあ、田村氏のおっしゃる「長い、短い」が、直行便で理解できない。

・・・・・はぁああっ、これってさあ、例えば料理教室で、「ここで落しぶたをします」と言われて、鍋のフタをわざわざ床に落っことした生徒がいる、とかって、笑い話があるけど、田村氏にとってみたら、私、その鍋落としちゃった人位の理解レベルなんだろうな・・・・・

***

↑こんなような緊急大手術を受け、3日過ぎた今、少しだけ脳みそがクリアになってきた。

多分彼が仰りたいことは、歌口からシの音の音孔の開いている所までの長さ、(測ったら約8.5cmの長さだった)の管体を、1秒間に442回も行き来している音波のことをもっともっと思いやって演奏すべし!ってことなのか。

で、「フルートの音のでるしくみ」、書かれているサイトを発見しました↓

 http://www.yamaha.co.jp/plus/flute/?ln=ja&cn=10603&pg=2

ページ中央あたりに、フルートのシの音!の音波を分かりやすくイラストで示している動画がありました!歌口からシの音孔の開いている所まで、ウニウニとイモムシみたいに動いているのが、音波のイメージイラスト。このように目で見えるとイメージ度、理解度が高まり、助かります!


昨日は、

2014年07月09日 12時01分37秒 | 必殺練習方法

昨日は、実質10数年ぶり位に、モイーズのソノリテ(ロングトーン課題)から練習に入る。

中音域シの音のみ!に数十分。。。。それだけでクタクタ。

先日、調整の田村フルートの田村氏にお会いして開口一番「ちょっと、H(シ)の音吹いてみて」と言われ、吹いた途端に思い切りダメ出しされ、ガツーンとキタんです。

田村氏「はい、分かりました。大久保さんは歌口で吹いていますね。その吹き方はダメです。」

私「歌口で吹くって、どういう意味ですか?」

田村氏「『歌口で吹く』という言葉にピンと来ない人というのは、大抵が歌口で吹いている人です。」

田村氏「大体にして、音の出る原理をご存じないのでは、と思います。例えば今のHの音、どうやって音になると思いますか?」

私「・・・どうやってって・・・・??・・・・・・歌口の中、管体の中に入った空気が、キーを押さえている所まで入って行って、押さえていないキーのふたが空いている所から空気が抜けることによって音が響くんじゃないんでしょうか?」

田村氏「違います」

田村氏「本当にこれははっきり言って常識的なことなんですけど、知らない人があまりにも多くて(閉口してしまいます)。」

田村氏「空気の振動から生まれる『音波』というものがあります。例えばHの音を吹く時には、歌口から押えているキーの所までの距離を1秒間に442回、ものすごいスピードで音波が往復することによってHの音になるわけです。」

私「!!!」

フルートで、良い音を出そうとする際、頭の中で作るイメージ、というのはとても大事。

私は、今の今まで、フルートを吹く際の「自分の息」から作り出される「音波」の事など、考えてみることもなかった。
 
音波は、管体の中を行きっぱなしじゃなくて、歌口まで戻ってくる。
 
これは自分には全くをもって欠如していたイメージです。
 
私は、演奏する際、一方方向の「⇒」で終わり、のイメージしか持っていなかった。
 
音波は、双方向「⇔」、しかも、1秒間に442回ものターンを繰り返す。
 
すごい。神秘性すら感じる。

 

田村氏「次に、例えば今度はA(ラ)の音。今度は音波の行き来きする距離が2cmほど伸びるわけです。そのことによってAの音になるわけです。」

田村氏「ですので、シからラに行くスラーなんていうのは、両者の間にはとんでもない違いがあるので、相当な覚悟を持って吹かないといけないんですよ。それなのに、(大久保さんを含め)大方の人は全く同じように、どんな音も吹こうとする、歌口だけで吹く(歌口周辺部分のみの意識で音の処理、コントロールをしようとする)からダメなんです。」

***

もーーー今日もこれにて限界。

書き終わるまでにあと10日ぐらいかかりそう・・・

あと、すみません。「フルートの音の出る原理」について、物理学者のようにきちんと説明することは、私には出来ません。上記の文は、うろ覚えと身勝手な解釈で書いている部分が多々あります。もし物理学的に間違えた言い回しがございましたらご指摘、ご指導いただけましたら幸いです。

 


よく考えてみると、

2014年07月08日 17時46分00秒 | Weblog

よく考えてみると、フルートの調子が悪い、と感じるようになったのは、先回のライヴ6月21日のため根詰めた練習を行っていた頃からの話。ということは、昨日書いた「数か月前から」、ではなく、「1か月程前から」、ということになる。

そのあたりからして、私は自分のコンディション調整が出来ていないんだと思う。

というか、「こんなに急に楽器が鳴らなくなるのは、楽器のせいだ!」とハナから思い込んでいたものでして。

飛んだ思い違い。

実は、先回本番の2日前6月19日、長時間練習していたら急に!突然!楽器がウンともスンとも、鳴らなくなって、、ビックリ仰天。

きっと、タンポ(各キーの裏側に付いているクッション)に水分がたまり過ぎてふやけて、キーのふさがりが悪くなったのだろう、これ、あさって本番で使えないかも・・・・、と悩み、翌20日、予備で所有しているスチューデントモデルの安価な楽器(でも一応新品)と吹き比べ、結果、安物フルートの方が断然鳴りが良かったので、結局愛器アルタス君は自宅でお寝んねさせて、リーズナブルフルートをライヴで使用。

ダレにも黙っていたし、「はるかさん、今日の音、どうしたんですか?なんか安っちいですね!」など気づかれることもなく(笑)密かにホクホウクしていた。

***

あーー、もー、ここまで書いただけで、どーーーっと疲れが。すみませんが、続きはまた明日。


顔洗って出直し

2014年07月07日 22時22分27秒 | Weblog

今日はフルート&ピッコロ&アルトフルートの年に一度の調整に、さいたまの田村フルートへ。

事前の電話で、ピッコロ&アルトフルートは問題ないが、フルートの調子がここ数か月どことなく悪いことを告げていた。

特に長時間練習すると、急に鳴らなくなってくる。水分がたまったのかと思い、掃除をするも、変わらず・・・

結論から言うと、今回は楽器の問題ではなく、奏者の問題、とのお話だった。現に調整はものの数分で終了したのだから、調整自体はさほど狂っていなかったらしい。狂ってたのは奏者の方みたい。

いや、田村氏はやさしいお方なので、「アンタの方が狂ってます」などの言い方は決してなさりませんでしたが・・・・・ま、簡単に書けばそういうことでせう。。。あああーまじ落ち込む・・・・

結局、「シ」の音!!!の出し方!!!!!そしてモイーズのソノリテ(クラシックフルート奏者がやる音づくりの課題)を数十分にわたり解説、及びご指導賜りました。

今後の自分の為に、そのレッスン内容を記述しようと思いますが、今日の今日では、ショックが大き過ぎる余り文章がまとまらないので、明日顔洗って出直してからにします。


思う事 2

2014年07月06日 11時06分22秒 | ティーチングスタイル

「ジャズフルートアドリブ名演集」、という、ドレミから出版されている楽譜集を持っている。偉大なジャズフルート奏者達の名演を採譜しているのだが、アーティキュレーションについては一切採譜されていない。アーティキュレーション位、耳コピしとけよ!と言わんばかりの(笑)。

それで、私もその本に習って、自身のアドリブソロを採譜する際、アーティキュレーションは一切書き込まないようにしてきた。

そうなんですが実際「その譜面で練習しました!」というお方の演奏を聴くと、

実に宜しくない演奏(苦笑)になっていることが度重なったんです。

皆さん、一様に、ベターっと吹く。どう言ったらいいかな、幼稚園生の「さーいーたーーーっ!さーいーたーーっ!チュウリップーのーー!!」的な歌い回しって感じで、、、

ある意味「楽譜通り」に吹かれている、という所にガクゼンと来る事が多かった。

なので、最近は、細かいニュアンスのコピーをきちんとしていただくためには、細かいアーティキュレーションの表記が必須なのでは?と思い始めたんです。

それで、聴音をするも・・・・結構苦戦・・・笑っちゃう位・・・

「タンギング」って書ける程タンギングしてなかったり、

「スラー」でつなげているんだけど、音と音の間に「間(ま)」があったり、

「メゾスタッカート」を表記するも、その長さは、厳密にはひとつづつ違うことや、

etc....etc.....

極め付けは、採譜し終わった譜面を見て吹こうとすると、

なんか、急に音楽的に吹けなくなっちゃう(苦笑)・・・・これ、ダレのソロ?みたいな(爆)

 


思う事

2014年07月05日 11時09分23秒 | ティーチングスタイル

私の一連のボサノヴァフルートシリーズ楽譜集には、付属CDで演奏しているアドリブソロの部分は楽譜にしていません。そのため、「大久保はるか完全コピー」をやりたい、でも自分では楽譜に書き起こせないので、アドリブパートが書いてある本は出版されてないのですか?という問い合わせを時々頂きます。

そういったお方の為に、リクエストされた曲についてはその都度CDから聴音して(笑)採譜し、お渡ししする、ということを行っています。

自分で自分のCDの音を聴音するにあたり、一番難しいのはアーティキュレーションの表示。譜面にするとあまりにも画一的な表記にせざるを得なくて、採譜済の譜面を見ると、薄気味悪くなる(笑)

私って結構譜面に書きにくい絶妙なドエラいことやっているんだなあ・・・感心、感心、みたいな(笑)

【譜面に起こしにくい部分】

●スラーとスラーの間、の絶妙な「間 ま」の長さの違い。

●メゾスタッカートが続く音型の中で、譜面の音価より、ちょい短い、額面通り、などの違い。

●スラーの頭の音はタンギングをする、というルールがあるが、そのタンギングにも種類があり、はっきりと「Tu」と発音している所と「Du」とか「Do」、さらには日本語の「ろ」に近いような発音まで、バリエーションがあり、その違い。

●音色の変化

 楽譜は、「音楽」を演奏するためのひとつの目安でしかないのだ、という事を再認識。

そう、「音楽」=「楽譜」じゃ、ないんですよね。譜面が読める人はそのことをつい忘れてしまいがち。私も気をつけよう。


冷房病

2014年07月04日 21時37分03秒 | Weblog

昨日はヨガの後、久しぶりにダーリン大久保とイタリアンレストランへ。ナスも出たということで、豪勢にちょい高級ワインを空けたりしてゆっくりディナーを楽しむ。でもこの時期、店の冷房にからきし弱い私。寒くて寒くて・・・・長袖パーカーのジッパーを上まで上げ、サンダルの下にヨガで使った靴下を引っ張り出して履いたりして寒さをしのいでいたんだけど、家に帰って来てもまだ寒い。芯から冷えちゃったみたい。その後夜中に胃もたれを起こして苦しむ。一夜明けた今日も一日調子が悪かった。あああ、今年も冷房に苦しむシーズン到来だな。同じ悩みをお持ちのお方、がんばって乗り切ってゆきましょうね~


アレクサンダーテクニーク 個人100回目

2014年07月02日 21時59分36秒 | アレクサンダーテクニーク

本日、めでたくアレクサンダーテクニーク受講100回目記念!

別途グループレッスンは30数回受講しているが計算に入れず、マンツーマンの個人レッスンのみカウントして100回。100だから、どう、というわけではないけど、区切りが良い数字ってのは気持ちが良い。

習い事は、年数が経つと進歩度合が悪くなったり、飽きたり、一生懸命やり過ぎて故障したり、様々な理由で長く続かなかったりするが、

100回分、決して無駄な月謝は払っていない、と確信できる自分がいる。

そんでもって今日は100回目にふさわしい気づきがあった!

あっ、ここで暴走しちゃうと、アレクサンダーテクニークって何よ?という方々にご迷惑がかかるので、一応説明します。

アレクサンダーテクニークは、私たちは、生まれてから大人になる過程において、自身ではすでに十二分に分かって使いこなしている筈の『自分の体の使い方』というものを、あえて新しい視点で見つめ直し、より快適な使い方を探ってゆこう、というようなワークです。

頭と脊椎の関係性に着目するのが特徴。それでよく本に書かれているキーワードがある。

「頭は前へ、上へ」

この言葉に始まり終わるんじゃないかっていう位の奥深ーーーーい言葉、らしいという所までは理解していたのですが。

なんだろーかね?これ、、、、唱えてれば姿勢が良くなった気がするだけのお呪いの呪文かよ?とずーーっと思っていた。

とかろが今日、先生のハンズオンを受けた直後に歩いたら、、、、

まあ、なんということでしょう!いつもより10cm位自分の【頭が!】【前に!】ずれてる?!んじゃないか?と思うような錯覚にとらわれた。

おいっ大丈夫か?ダルマ落としのてっ辺のダルマの頭だけが、ずれてるよーーーおいっ!前に転げ落っこちちゃわないか?ひえーー!みたいな。

私「こんなに頭が前にずれてて(笑)良いのでしょうか、私?」

先生「それが、見た目はさほど前にずれこんでいたりはしていないのですよ。携帯お持ちですか?宜しければ写真撮ってみましょうか?」

で、こちらの写真。(これ、鑑別所に送られた直後の囚人の写真じゃあございません)

私「げっ!!普通にまっすぐ立ってる!!!」

写真をよーく見ると、頭って、胴体よりも少し前にあるんですね。

不思議なのは、写真を見る限りにおいては、「ほんの数センチ位の少し前」程度の話なんだけど、自分の身体感覚の中においては、「少なくとも10cm以上は頭が前に飛び出ちゃいましたか?わたし、大丈夫ですかあ~?」って感じなんですぅ~

・・・・・想像するに、多分200回目受講の際も、きっと相変わらず「頭が前?上?なに?」って、やってるんだろうなあ・・・・と。

自身の成長の確認は、「理解レベルの純度が上がっていく」という所で取る、ということかな。

 


大久保はるかのボサノバレッスン動画

2014年07月01日 13時13分22秒 | Weblog

 『THE FLUTE ザ・フルート』のweb会員様限定動画「大久保はるかのボサノバレッスン」は月一回配信、合計6回の連載です。

現在、第四回目がアップされたところ。

次回は第五回「コードネームを覚えよう」で、「コードネーム、どうやって覚える?」をテーマに展開している。アップする画像の編集確認はこれからなのですが、、、

この回の自分の表情に自信ナシなので、今から画像確認にビクビク・・・・

多分、けっこうコワイ顔して片手にムチぐらい持ってる(笑)勢いっぽい。

大分以前、クラシック音楽一辺倒だったフルーティストが私の出版した譜面を見て「フルートパート譜の音符の上に何やらもにょもにょ小さく書いてある記号、何ですか?譜読みのジャマなんですけど」

と仰った事があった。

ああああーーーそうかっ!そういう話になるわけね!と逆に勉強になった次第でして。

あと「自分はメロディ楽器なので、コードネームは関係ない」と思っている人も実に多い。

違うのよ~~~そうじゃないんですよ~~あたしゃ声を大にして言いたい!

他の楽器の人とセッションやアンサンブルをしたいと思うのであれば、(というか、フルートは単旋律の楽器なので、一人っきりで一晩ライヴ、コンサートとかは、まずあり得ない。必ず伴奏者が必要)

●クラシック音楽の場合・・・・五線の楽譜が、両者の共通言語

●ポピュラー・ジャズ系音楽・・・・コードネームが共通言語

なんです。ただし、ポピュラー音楽でも、アレンジャー付き大編成で、しっかりとしたパート譜が作られている場合は話は別で、その場合はクラシック同様、書かれた音符をそのまま吹く。

「メロディ・フェイク」(書かれた音符をそのまま演奏するのではなく、装飾音を加えたり、リズムを少し変化させたりする)、「アドリブ」(即興演奏)、「オブリガート」(第二旋律。ポピュラージャズでは、即興的に入れることが多い)をやりたければ、

コードネームを覚えましょう!!!

(あーーやっぱり、この文章打ってる自分の顔がコワくひきつってる~!!)