↓オカルト染みた話はまだまだある。
母は、長年にわたって牛乳の宅配サービスを利用していた。家の前に専用ボックスを設置して、週に一度、配達してもらうサービス。料金は、毎月一度、直接配達員の人に手渡すシステム。実家では、新聞や、電気、ガス、水道等はすべて父名義であるのに対し、この牛乳の宅配サービスだけは、母名義で加入していたものだった。
私達3兄弟が子供の頃は、当時給食に出てきたタイプの、ガラスの牛乳瓶の牛乳をとっていた記憶がある。我々子供が巣立ったあとは、自分のために乳酸菌飲料をとっていて、最後は「グルコサミン&コラーゲン入り」という、市販で言うとヤクルトやジョアのような系統の栄養ドリンクを好んで飲んでいた。
その母が1月7日に急死した翌々日、朝ゴミ出しに行って戻った時に気が付いた。
玄関前に設置している牛乳専用の宅配ボックスの台座にしていた2つのブロック(レンガのような形状だがより重い)のうち、片方だけがナナメ45度位外側に大きくズレている。
「え?変だな。このずれ方。今まで見たことない。葬儀社がドライアイスを運び込みに来た時に当たったのか?」
と思うのと同時に、
「そうだ、宅配牛乳の解約手続き、やらなきゃ。」
そして、次の日の朝。
またしても同じようにナナメ45度にブロックだけが大きくズレているのを目にした瞬間、気が付いた。
もう、これは絶対、お母さんの仕業だ!
なので、今度は声に出して言った。
「お母さん、大丈夫だよ。宅配牛乳のことは、ちゃんと私が責任もってやるからさ。」
そうして、その次の日からは、ブロックは全く動かなくなった。
後日、宅配元に電話をし解約手続きについて聞いたら、宅配ボックスの中にその月の料金を入れておいてくれたら、木曜日の朝早く、箱ごと回収に伺います、とのことだったので、水曜日の夜、そのようにした。
そして木曜日、料金を入れておいた封筒だけが郵便受けの中に返されていて、お金の代わりに領収書が入っていたのを父が発見した。
この一連のやりとりを実家で確認した後、となりの自分の家に戻り、自分の家の郵便受けを開けた時、何やら白っぽいモワッとしたもの?(煙のような・・)が見え、そこには大きな文字が。
「ありがとう」
もう、これは、絶対、母からの手紙だ、と直感した。
お母さんが、私に、「宅配牛乳のこと、やってくれてありがとう」と、言っているんだ、と。
しかし、この調子で、私のやることなすこと、全部お見通しされている(もしくは見張られている?苦笑)のかと思うと、ちょい複雑な心境ではある。