この日のレッスンでは、一連の「田村氏事件簿」のお話をして、最近改めてクラシック奏法の見直しを計っている、しかし一方では、来週のボサノヴァライヴの準備もしなければならない。今、自分の奏法にブレを感じている場合か?という相談をした。
先生「田村氏事件のことは、一旦、しばらく横に置いておいたらどうですか?」
私「そうすべきかも、とは思うのですが、せっかく身になるレッスンだったのを一旦置き去りにしてしている間に、時間と共にそのまま風化してしまうのは、もったいない、嫌だな、と思うんです」
先生「であれば、手帳に書いておいたらいかがですか。『この日は田村さんに言われた事をやる日』というように。」
そっか。逆に言えば、手帳に書いた日までは、あえてやらない、忘れるのではなく横に置いておく、という訳か。ダラダラとクラシック奏法を見直して首をひねり、ひねり、そして気が付いたように、「あっ!ボサノヴァもやんなきゃ」などチョコマカとうろつく(?)よりは、よっぽど効率が良い気がする。
よし、分かった!と、来週の本番で演奏予定の曲を吹いたら、
なんか知らんが、曲の出だしからつっかかって演奏できなくなってしまった。
そのつっかかりの酷さと言ったら・・・・・「あれ?ところでお箸ってどうやって持つんだっけ?」的な・・・いやーーーちょっと、、、マジすかっ・・・
先生「何かショッキングな事があると、今まで出来ていたことが急に出来なくなってしまう、というような事が起こりうるのが人間です。」
と、割と平然と仰っていただいたことで、自分だけじゃないのか、普通のことなのか、と、少し安心したけど、、、ちょっと、これ、、、冗談抜きにやばくねー?
その後、「股関節周辺の筋肉を解放するワーク」(イスに座って、自分の太ももを手で膝方向へなでおろすような動きをする。「太ももが長い長いながーい!」と言いながら。これをやった後だと、仮に人に全力で足首をつかまれて固定されようとも、簡単に覆すように動かすことが出来る。)「腕に柔軟性をもたせるワーク」(立って、両腕を上げて、人間ネジみたいに、ぐるぐる回る(笑))そして「スキップをする」(なんじゃ、そりゃ?笑)というワークなど、アレクサンダーテクニークの原理を使って演習。
「(本当の)力」と「(単なる)力み」の違い、
「(本当の)解放」と「(単なる)ダラけ」の違いを、体現的に教えていただく。
この日は特にスキップワークにピンと来るものがあった。スキップではふわっと身体が宙に浮く瞬間があるが、その時間、真上ではなく、ナナメ前、上、ぐらいの方向を思うと、より前に、前に、素早く進める。
この「ふわっ!ふわっ!ふわっ!ふわっ!」と、サンバのリズムの取り方「Um! Dois! Um! Dois!」が、自分の身体の中で合体したぞっ!!
あ、これで吹ける!と思った。
で、見事お箸の持ち方を思い出したように(笑)演奏できました。