私の一連のボサノヴァフルートシリーズ楽譜集には、付属CDで演奏しているアドリブソロの部分は楽譜にしていません。そのため、「大久保はるか完全コピー」をやりたい、でも自分では楽譜に書き起こせないので、アドリブパートが書いてある本は出版されてないのですか?という問い合わせを時々頂きます。
そういったお方の為に、リクエストされた曲についてはその都度CDから聴音して(笑)採譜し、お渡ししする、ということを行っています。
自分で自分のCDの音を聴音するにあたり、一番難しいのはアーティキュレーションの表示。譜面にするとあまりにも画一的な表記にせざるを得なくて、採譜済の譜面を見ると、薄気味悪くなる(笑)
私って結構譜面に書きにくい絶妙なドエラいことやっているんだなあ・・・感心、感心、みたいな(笑)
【譜面に起こしにくい部分】
●スラーとスラーの間、の絶妙な「間 ま」の長さの違い。
●メゾスタッカートが続く音型の中で、譜面の音価より、ちょい短い、額面通り、などの違い。
●スラーの頭の音はタンギングをする、というルールがあるが、そのタンギングにも種類があり、はっきりと「Tu」と発音している所と「Du」とか「Do」、さらには日本語の「ろ」に近いような発音まで、バリエーションがあり、その違い。
●音色の変化
楽譜は、「音楽」を演奏するためのひとつの目安でしかないのだ、という事を再認識。
そう、「音楽」=「楽譜」じゃ、ないんですよね。譜面が読める人はそのことをつい忘れてしまいがち。私も気をつけよう。