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Look To The Sky

フルーティスト大久保はるかのブログです

手首で呼吸するように弾く

2019年08月21日 01時00分05秒 | 必殺練習方法
最近、夜中にラジオをつけて寝ることが多い。昨日は過去に放送されたものの中から選りすぐりの再放送が流れていて、中村紘子さんの最後のエッセー本『ピアニストだって冒険する』の紹介でした。
 
その本の中で、『歌手が肺で呼吸するように、ピアニストは手首で呼吸する(あるいは、しなければならない、だったか?)』という一節があるそう。
 
凄い。さすがのお言葉に、眠気も覚めてしまった。
 
それで本日、楽器の練習中、フィンガリングが上手くいかなかった時に、ふと、「手首が(あるいは手首で)呼吸するように演奏してみようか?」と思った途端、余計な腕の力が抜けたからなのか、サラっと出来てしまい、自分でもびっくりしてしまった。
 
こういう面白いことがたまに起こるから、音楽って止められない~
 

そこが大事

2017年05月21日 22時33分22秒 | 必殺練習方法
昨日の夜から今日にかけては、そのワークショップで使う資料作りに徹する。まだまだ未完成、いや、ちゃんと土曜日前までには書き上げますって。
 
90分で1曲完成!を謳っていますが、そんな、さー、90分で1曲仕上げるなんて、夢のような話、フツーないです(笑)。
 
いやいや、でも、ものは考え様であって、音符になっている曲のテーマ部分をそれなりに吹けるようになったところで、OK,完成!100点!と本人が思えば、それは完成なわけです。
 
「いや、やっぱりその先のアドリブがバリバリ出来るようにならないと・・・・」とか、
 
「譜面通りにきちんと吹いているのに、なんかリズムに乗れていない、ダサイ、気がするのはなぜ?」とか、
 
「もっとこういう風に吹けたらいいのに」という願望、希望、の部分にフォーカスして、「そのためには、どういう練習、勉強が必要なんだろう?」ということを、具体的に考え、実践すること。そこが大事です。

ハーフタンギング

2015年08月04日 23時36分45秒 | 必殺練習方法
ジャズサックスの教本をパラパラとめくっていたら、衝撃的な言葉を発見!
 
「ハーフタンギング」
 
ええええっ?なにそれーー?初耳!!ハーフといえばマラソンぐらいしか知らん(笑)
 
「タンギング」は音をリードにあてることによってリードの振動を止め、音を止めることです。
「ハーフタンギング」はジャズでよく使われるタンギングの手法で、音を出しながら舌がリードに触れることで音量を弱める効果があることです。
 
と書いてある。
 
ジャズでは基本的に8分音符での演奏時に裏拍でこのタンギングを入れ、強弱をつける場合が多いです。
 
と書いてある。
 
その昔ジャズスクールに通っていた頃、どうしてもできなかった事、サックスに負けた!と思った技術。それがハーフタンギングという名称が付いている技法だったのかーーー!!
 
ジャズサックスの人が吹く音階って、すでにスイングしている。
 
「ドー・レー・ミー・ファー・ソー・ラー・シー・ドー」
 
が、
 
『グー・ガー・グー・ガー・グー・ガー・グー・ガー』
 
ってなっているんです。
 
で、これをフルートでまねようと思っても至難の技。「グー」と「ガー」の違いが出せない!!!!
 
そっかー、ジャズサックスでは、「グー」がタンギング、「ガー」がハーフタンギングなんだ!!
 
シングルタンギングが2種類あるなんて、、、、、寝耳に水です、はっきり言って。
 
それで、今日はそんなことを念頭においてフルートの練習をしたら(あ、ジャズではなく、ボサノヴァ、サンバ、ショーロなどです)、今まではタンギングを外して音にならない、もしくはひっくり返ってしまうような所が、随分と改善されてきて、自分でも驚いた。

一生使えるアドリブ基礎トレ本

2015年03月30日 12時44分55秒 | 必殺練習方法
一生使える
アドリブ基礎トレ本サックス編
 
という本を買ってみた。
 
part1
基礎トレーニング
part2
コードトーンでアドリブ
part3
スケールでアドリブ
part4
フレーズ・アプローチ
part5
テンションと特殊なスケール
part6
スタンダード曲による練習
 
このスッキリと明確なコンテンツにビビビっと惹かれて買ったら大正解。
やっぱりさー、さすがサックスの教本ですわ。フルートの棚にこんなジャズ系のすぐれ本はまずないからね。
 
**
 
結局ね、細かく書き出せば348種類ほどあるスケール(いや、実際もっとある)を、どのように実践に結び付けてゆくか、が大きな課題。
 
ありがちな練習手順
 
練習1
スケール音を順番にドレミファソラシド・・・・・と吹く。
ふんふん、と納得する。
 
練習2
次に、いきなり小難しいフレーズを12のキーにあてつけた練習やら、トゥーファイヴ練習やらに入る。
もしくは、すべてをすっ飛ばして曲の練習に入る。
 
練習1と2の温度差の酷いことと言ったら。
 
この本では、1、と2、の間に「○○スケールの実践的練習」という1.5(笑)練習コーナーがあるのがうれしい考え方。
 
例えばビバップスケール。
 
まずは普通に音階を順番に吹く。
 
その次に、「ビバップスケールの実践的練習」と称し、
 
各小節の始まりの音がルート、7th 、5th 、3rd となるような譜例を書く。
 
譜例では
ドシシ♭ラソシドシ♮ /
シ♭ラソファミソララ♭/
ソファミレドミソファ /
ミレドシシ♭ドレレ♭ /
ドーーーーーー
 
C7のコードを当てています。
 
グッとアドリブフレーズに近づきます。そっかー、この発想法だな!!!

音楽をやるための身体作り

2015年01月26日 23時14分07秒 | 必殺練習方法
裸足奏法のお師匠さま及川氏は、31日のライヴでも当然裸足で演奏予定だそうです。私も見習って裸足で~す。それで最近家での練習の際ににも素足になったりしているのですが、ちょっとした問題点も。
 
裸足演奏を始めた初期の頃は、裸足になった瞬間から音の出が2倍ぐらいに膨らむことが面白くってしょうがなかったのだが、最近は以前のような劇的変化がない時もある。
 
なんでだろう、と、練習中にふと考えてみた。
 
その瞬間、神の声のようにアレクサンダーテクニークのかわ神(笑!)先生の声が聞こえたっ
 
「ポイントは、股関節周辺の筋肉の解放」
 
そうだよな。自分の中の安易すぎる法則、
 
「靴下ぬいで裸足にさえなれば、必ず良い音が出る。」
 
そんなのあるわけないじゃんねー。
 
で、アレクのワークで「片足ずつ横にポンと放り出すように置くワーク」とか「ランジのワーク」とか、股関節を(股間じゃないよ、念のため)解放するためのワークをやろうとするが、なーんか一人で出来ない。動作自体は簡単なのだが、先生の指導の下、先生のハンズオン付きじゃないと上手く解放されていかないんだよね。
 
でー、ヨガに逃げてみた。
 
ヨガ教室でやる体前屈のセンチ数をより伸ばすストレッチというのがあって、そんなのをやったりしていく中で、オリジナルの新ストレッチ体操をあみ出した。
 
①片足立ちになって、浮かせた方の脚を、立ったままの平泳ぎをするように股関節から大きく動かす。
右脚を動かす場合、右腕が自然と同じ動きになっていく。
 
②次に反対方向に右脚を回す。すると自然に右腕は同じ方向へついてゆく。
 
③今度は、右脚と右腕の動きをわざと逆方向に回す。これ、ちょーむずい!
 
④そして左脚も同様に動かす。
 
 
これやった後に吹くと、どひゃーーーってな位にでかくて、いわゆる鳴っている、響きのある音が出るようになるから驚き。
 
あ、出来れば楽器を持ったままやることをお勧めします。
楽器を置いてしまうと、ただのストレッチの時間になってしまうから。
「あくまでも今持っているこの楽器を吹くための身体作りの一環としてやっているんだぞ」
という認識が欲しい。
 
結構ハードな動きです。楽器をぶつけたりしないようにお気をつけください。
 
って・・・・真に受けて一日何時間もこればっかりやったりしないでね・・・時間にしたら、両脚でものの数十秒、ぐらいで十分効果が出ます。
 
あと分からないけど、私のタイプとして、緊張が股関節周辺にきやすいので効果があるけど、そうじゃ無い人にはどの程度、どうなのか分かりません。ご了承くださいまし。
 

良い練習とは?

2014年08月31日 23時11分16秒 | 必殺練習方法
今日は非常に良い個人練習が出来ました。
 
今日は、って・・・・・(苦笑・・・)
 
「いかに演奏するか」は、「いかに練習するか」と同じである、と、『ジャズの練習方法』という本に書いてあるが、
 
たしかに、たしかに。
 
なんというか、練習中の自分のあり方って、楽器から離れた普段の自分そのもの、なんです。
 
楽器を通じて自分と対峙できているかどうか?・・・・・これは大事な問題です。
 
上手く言えないけど、瞑想とか座禅とか、そういうものに似た静かな気持ち(仮にアップテンポの課題であっても)で自己に向き合えた時、ツボに入った練習が出来る。
 
そうでないときは、何度さらっても空回りだったり、その日は無理やり技術アップさせたつもりになっても、次の日すっかり身体が忘れてる、とか、色々結果に不都合が生じている。
 
質の高い練習を行うことは難しい。

連載終了

2014年07月14日 10時47分34秒 | 必殺練習方法

田村氏のレッスンシリーズ(というか、調整に行ったら説教されレッスンみたいになっちゃったシリーズ)、一応のところ今日をもって一旦締めようと思います。

この1週間というもの、自分なりの良い練習、質の高い練習、充実した練習が出来て大変幸福でした。

**

帰りがけの玄関先での会話。

田村氏「今日やったことはクラシック奏法なので、そのままボサノヴァをやろうとすると、オペラ歌手がそのまま(の発声法で)ボサノヴァ歌うみたいな事になっちゃいますね。あとは応用で(やってください)。」

私「はい。」

私「今日田村さんに見て頂いて、ここ最近の自分が間違えた方向に行きかけている、という事にはじめて気が付きました。私、ボサノヴァやるのだから、と、軽い音を出そうとし過ぎていたみたいです。いや?軽い音っていうか、、、なんというか、最初からある種の作り声でがんばってしゃべろう、みたいな感じ、というのでしょうか?だから長時間に耐えられないんですね。地声でいこう、と思った途端、ストン、と肩の荷が降りたように音が出ました。今こうしてしゃべっている自分の声も出やすく、しゃべりやすくなっています。」

私「あと、私たちがやっている音楽は、たいていの場合マイクを通すので、そのことも大いに関係していると思いました。マイクとフルートの歌口周辺のみを強く意識し過ぎてしまう悪しき習慣がついてる、と、思いました。」

田村氏「ああ、(マイクを使う演奏では誰でも皆)そうなるでしょうね。」

田村氏「ですので今日僕が言ったこと、ほんの少し、思い出してやってみてください。」

はーーーーーーーい。

彼曰く、このような事は、誰にでも言っているわけではなく、言える人にだけ言うんだそうです。そして残念ながらせっかくのアドバイスの意味を全く理解されない人も珍しくないのだとか。

お話から察するに、彼がおしゃる所の「歌口で吹く(ダメダメな)人」の層は厚く、かなり大勢のお偉方プロ奏者達に同じようなお話をなさっているのであろう、ということが推測された。

確かに、ロングトーン吹いて、「あと2センチ、長くして下さい。2センチ、が分かりにくければ、3センチ!をイメージして!!」

とか、言われても、ね。面食らうでしょう、ふつう。


気が付けば

2014年07月13日 10時25分40秒 | 必殺練習方法

昨日もせっせとロングトーンの練習に励む。

本気で、脳みそと耳をフル回転して行うと、長い音の延ばしを5コぐらいやっただけでクッタクタになる。

フルートって3オクターヴ、12×3=合計36個の音あるんだけどなあ・・・・じゃあ一日5個、で次の日6個目から!とはいかないのがまた辛いところ・・・忍耐だあね。

**

気が付けば、田村氏レッスンシリーズ第五回目。5日間も連続してよく書くわ・・・・

「プロになってからも、そんな急に吹き方がわかんなくなっちゃう、とか、基本的なこと、指導されちゃうとか、そんなことってあるんですね。」

と、(半ばあきれ顔で?)友人に言われました。

いや、ステージの仕事が出来ないぐらい音が出なくなったわけではないですよ、勿論。そんなんなっちゃったら、ココに堂々と書けやしませんし、それこそどこか体の具合でも悪く入院騒ぎぐらいになってます。

「聞く人が聞けばわかる」「見る人が見ればわかる」といったレベルの話です。

その友人に説明するのに、パッと脳裏に浮かんだのが、プロ野球のノムさん監督が、ハンカ●王子さんの投球フォームについてつぶやいた一言。

「普通は、脚、腰、腕、の順番(で動くの意味か?)だが、彼の場合は逆になっている。腕、もうちょっと我慢できないかなあ・・・」

そうなのよ、シロウト目には分からないけど、「見る人が見れば、分かる」とはこの事です。

これの音楽版のようなことがあるんです、と説明をした。

ただしスポーツの場合は、結果がスコアで出るので、シビアだけど、自身の不調の判断はしやすいと思う。

けれど、点数競技ではない音楽の場合は曲者です。

モヤモヤとした不調に人知れず悩んでいる人は、プロ奏者の中にも多いと思う。


楽器が教えてくれる

2014年07月12日 12時14分12秒 | 必殺練習方法

田村氏「それとですね、楽器というのは、音が出るように、鳴るように、始めから作られているんです。楽器を信頼すべきです。調整技士なんてのは、大した仕事はしていないんです。皆さん、僕のところにくると、楽器が良くなった、と仰いますがね。気のせいであることが多いんですよ。」

田村氏のフルート調整技術に絶大な信頼をおいている演奏家は多い。田村さんの所に行けばなんとかなる、と思って通っている人は私だけではないんだ、と思い、ちょっと安心した。

田村氏「今回の大久保さんのように、長時間練習していると、突然楽器が鳴らなくなる、とおっしゃる方、他にも時々いらっしゃいます。実に立派な経歴をお持ちの大プロの方の中にもいらっしゃります。やはり皆さん、『歌口で吹く人』(歌口周辺の意識、感覚のみで、なにもかもを処理して演奏しようとするタイプ)です。」

田村氏「(鳴らなくなる原因は)楽器が教えてくれるのですよ」

・・・・・穴があったら入りたい、どころではない恥ずかしさを感じた。

と、同時に、ロングトーン練習をしたい!と強く感じる自分もいた。こんなにも心から音作りの課題に取り組みたい、と思えたのは、自分のフルートライフ始まって以来かも。

 


素材としての音

2014年07月11日 10時29分47秒 | 必殺練習方法

田村氏「H音、少し良くなりました。それでは、徐々に下に下がっていってみてください。」

私「シーーーーっ!」

私「あ、今の音、ダメですね。もう一度行きます」

「シーッツ!」

私「あ、これも違いますね。」

「シーーー(あ、少しマトモな音かも、よし続けよう・・・・)ーーーー♭シーーーーー!!!」

みたいな感じで進めてゆく。

そして、A音を延ばした時、ストップがかかった。

田村氏「今の音、最初の出だしは良かったのですが、音を延ばしている途中から短く(音質がダメに)なりました。」

私「えっ!!!」

私「自分としては、ですね、最初の出だしの音色の方がダメダメ音だった、という判断なんです。それを、途中延ばしている間に修正、微調整、しよう、みたいな心理が働いた結果なのですが・・・・」

・・・・・最初ダメダメ。でも、延ばしている間にちょっとは持ち直すことが出来た。だから、差引き、まあまあ、かな、との判断だったのに、真逆のことを言われ、、、、唖然・・・

田村氏「大久保さん、最初から色を出そう(音色を作ろう)としていますね。(そこがダメです)」

田村さん「いいですか、音というものは、音楽にする前段階の「素材」、とみた場合、暗くも明るくもない、色がないものなんです。(こういった音作りの課題のための音出しの際の吹き方としては、)最初から色をつけようとしなくて良いです。」

私「!!!」

私「あと、すみません、お伺いしたいのですが、自分で自分の音を聞いて判断する際についてですが、聞く距離の問題ってありますか?(フルート演奏中の自分の耳は、歌口からわずか数十センチの距離にあるため、自分では、歌口周辺から漏れる息の音が大きく、時に雑音まじりに聞こえる。奏者から1m位離れたところで聞くリスナーは、厳密に言えば、違う音を聞いているのだと思う)そういうことって関係ありますか?」

田村氏「関係あるでしょうね。」

ここで、(やっと)、ピンとくるものがあった!

歌口間近、至近距離でしか聞くことのできない自分の音。自分で思うに、ちょい、ざらついた音?こんな雑音まじりの音じゃ、響いてない、鳴ってないんじゃ?と一瞬疑いそうな音のまま、それをキープして良いんだ!!