天体撮影ソフトと天体写真のブログ

惑星をメインに天体写真を掲載。極軸セッティング・インターバル撮影、オートフォーカスソフト頒布も行っています。

レーザー・コリメータは鏡筒先から照しましょう

2011-03-07 22:42:15 | 光軸調整
ただし、ニュートン反射の場合ですけれど・・・・。
通常は接眼部に挿入して反射光が照射口に戻って来るように主斜鏡を
調整する訳ですが、これはよく言われているように主斜鏡、更に接眼部
の取り付け位置が正しい場合に使える方法です。
ニュートン反射の光軸調整で最も厄介なのは斜鏡を正確な位置に置く
事です。あえて言えば斜鏡がニュートン反射の光軸調整を難しくしている
元凶です。ならば先ずは斜鏡を取り外しましょう。
これで邪魔者は無くなる訳ですから、残った主鏡の光軸をレーザー・
コリメータで調整します。
しかし、斜鏡が無い状態で接眼部から照射しても鏡筒内の反対側に
当たるだけです。
そこで、鏡筒先から、斜鏡スパイダーの斜鏡取り付け穴を通して、
主鏡中心マーカーへ照射します。この際、斜鏡取り付け穴の中心を正確
に通る様にレーザー・コリメータの位置を調節します。
斜鏡取り付け穴に1~2mm程度の穴を開けた紙片を貼り付けると良い
でしょう。但し中心を正確に貼り付けます。
また、レーザー・コリメータはカメラ三脚か何かに乗せて位置を調整出来る
様にします。
そして、反射光が照射口に戻ってくるように主鏡を調整します。
これで主鏡の光軸は決定しました。この後は主鏡は絶対にいじらない様に
します。
次に外していた斜鏡を戻します。接眼部には光軸調整用アイピースを付け、
斜鏡の中心マーカーが光軸調整用アイピースの中心と一致する様に斜鏡
の主鏡光軸方向の位置を調整します。
この時、なるべく斜鏡を主鏡光軸に対して45度に保つ様にします。
斜鏡調整ネジの締め付けに偏りがある場合は均等にしておきます。
斜鏡が偏心取り付けされている場合は、マーカーも偏心させます。
ここから先は一般的な光軸調整の方法になりますが、先に述べた様に
主鏡の光軸は決定している訳ですから、主鏡の調整ネジは決して触らず、
斜鏡のみの調整となります。
もちろんこの方法でも、前もって鏡筒、主鏡、斜鏡スパイダーの中心は
出来るだけ正確に一致させておく必要があります。
鏡筒内に糸を張る等、その具体的な方法は、ネット上にもありますので、
ここでは割愛いたします。

私のNGT-12.5はトラス構造で、作りもラフな為、鏡筒中心軸は有って
無い様なものです。主鏡セルは閉じているので糸を張って中心とする事も
出来ませんでした。主鏡を外すのも大変ですし・・・・。
その為、主鏡と斜鏡の中心が一致しておらず、斜鏡を付けたままで、
主斜鏡の中心マーカーと光軸調整用アイピース中心を一致させる一般的
な調整方法では、幾ら調整しても焦点内外像が同心円になりませんでした。
しかし、上記の方法で、まずは主鏡光軸を決定し、それを基準として斜鏡を
調整したところ、まだ幾らか偏心はあるものの我慢できる程度に焦点内外像
が改善されました。
これ以上は、恐らく主鏡と斜鏡の中心のズレの量が分からないと調整出来
ない様に思います。

P.S
幸いにも、主鏡に対する斜鏡のズレ方向が斜鏡偏心取り付けの方向とほぼ
一致していた様で、その想定の元に主鏡光軸を決定しました。
但し、ズレの量は正確に分かりませんでしたので、その結果、まだ焦点内外像
に偏心があるものと考えています。