May 30, 2017
いつも独りで過ごしている生活から離れて、姉妹やその家族たちとにぎやかに過ごした1週間、そこにはそれぞれの「My time」が流れていた。楽しかった日々も終わり、私も日常に戻って、My timeを取り戻さなければならない。そんな手始めにと、今日は映画を観てきた。映画は「午後8時の訪問者」。監督・脚本は、カンヌ国際映画祭パルムドール大賞を2度受賞しているダルデンヌ兄弟だ。
診療時間をとっくに過ぎた午後8時に鳴ったドアベルに若き女医ジェニーは応じなかった。その翌日、診療所近くで少女の遺体が見つかる。それは診療所のモニターに収められた少女だった。少女は誰なのか? なぜ死んだのか? 救えたかもしれない命を見過ごしてしまったジェニーは、「あのときドアを開けていれば、少女の命を救えたかもしれない」という罪悪感にとらわれ、必死で少女の身元を突き詰めようとする。物語の過程で、今、ヨーロッパが抱える移民問題、貧困、人種差別などが浮き彫りにされていく。
先日観た映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」と同様、今、ヨーロッパが抱えている問題は、私たちの生活には無縁のように見える。しかし、日本にも潜んでいる問題なのかもしれない。ただ平穏に過ごしている日常の中で、突然世界の現実を目の前に突きつけられる、映像とはそういうものなのだろう。この映画で私は、アデル・エネルが演じる女医のプロフェッショナルな姿が印象に残った。医療に従事する者の立場と患者の立場、これも監督が描こうとしたことのひとつなのだろう。
映画鑑賞やなじみの駅前の環境の中に戻って、いつもの生活が始まった。せっかちな私のMy time は、反省点も多い。今後は、姉たちのタイムにならって、少しゆっくりと進ませていこうと思う。
画像は、4年ほど前に小さな苗を買い、やっと今年花が咲いた「クレマチス」。四季咲きで、「プリンセス・ダイアナ」という名がついている。