私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

『リスボンへの夜行列車』

2015-06-04 13:28:39 | 日記

June 4, 2015

図書館に予約してあった本が届いたので取りに行った。本は2冊、1冊は、『林芙美子 女ひとり旅』(新潮社)。次回読書会の本『浮雲』の関連で借りた。角田光代と橋本由起子が解説している。これは、薄い小冊子(トンボの本)で、バスを待つ間、バスの中、帰宅してからと、一気に読み終えた。林芙美子の『放浪記』は森光子主演の舞台でずいぶん話題になった。あまりそういう人口に膾炙したものは好きではないので、若い頃に多分、日本文学全集で2,3冊は1度は読んではいるとは思うが、遠いところにいる作家だった。前回の読書会で取り上げられていた、辺見庸『反逆する風景』の中に、『浮雲』について触れてある個所があり、次回の私のレポーターの際の本に選ばせてもらった。このことについては先にブログで書いているので、ひつっこいようですみません。いろいろなことは読書会の日を待つことにして、今私は林芙美子に心酔している。「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき―林芙美子」 48歳で亡くなる前の10年間、生涯で一番安らかに過ごした新宿区落合の家、今は記念館になっている場所を、読書会の前にぜひ訪れたいと思っている。

さて2冊目は、パスカル・メルシエ『リスボンへの夜行列車』(早川書房)である。本書は、映画「リスボンに誘われて」の原作で、映画を見たときから読んでみたいと思っていた本だ。映画を見たのはしばらく前になるが、最近の友人のブログを覗くと、本書について、誰にも書けないような書評を書かれていて、刺激を受けた。こういった機会を逃すと、思いはあっても忘却の彼方に・・・ということになりがちな日々なので、早速図書館に予約したら、すぐに届いた。あきらめて、もう腹を据えて行こうとは思っていることだが、右目がほとんど役立たなくなってしまった。点訳も一つだけにして、残った左目を大切に使って行きたいが、本を読む楽しみだけは譲れない。明日あたりから関東地方も梅雨入りするとか、パソコンから目をあげて、ベランダから外の緑に目を移すと、新緑が優しく目をとらえてくれる。生れたときから光とは無縁の生活の中にいる方々を思うとき、これで十分だ、十分すぎると、心から思う。

 画像は、妹のメールから、「君子蘭」。朝日新聞に再連載されている、夏目漱石『それから』の昨日の欄に、この花のことが載っていた。「代助の買った大きな鉢植えの君子蘭はとうとう縁側で散ってしまった。その代わり脇差ほども幅のある緑の葉が、茎を押し分けて長く伸びて来た。・・・」とある。たしかに、花も素晴らしいが、葉が立派だ。


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