私の日常

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新聞を読んで

2016-10-02 13:29:30 | 日記

October  1, 2016

日曜日の朝日新聞「読書」欄の、「悩んで読むか、読んで悩むか」のコーナーは毎回楽しみにしている。相談者の悩みに、適切な本を提供したりして回答者が応じる。今日は、「ピアノの先生に努力が足りないと言われショックをうけた」という相談者に、歌人の種村弘さんが、羽海野チカ『3月のライオ』(白泉社)を勧め、次のように書いている。

 『3月のライオン』は、将棋のプロの世界を描いた漫画です。その中で、「だって、努力できるのも才能じゃん」という言葉が出てきます。強くなれず、にも拘らず、そのためのひたむきな努力も出来なかった少年の捨て台詞です。これを見たとき、どきっとしました。実はそうなのかも、と思ったのです。(朝日新聞、10月1日)
 
「努力も才能のうち」という言葉は目新しいものではないが、この言葉にどきっとしたり、考え込んだりする時期は人それぞれだろう。私も40代のころ知人の発したこの言葉が胸にずしっときたことを、今思い起こした。努力という言葉は集中力と置き換えてもいいかもしれない。確かに、追いつこうとしても追いつけない壁に突き当たった時、人は「才能」という言葉を思い浮かべ、人の世の残酷さを実感する。しかし、人生はこんなに単純ではないだろう。種村さんは、「結果は誰の目にも見える。努力はそうではない。そして才能は誰の目にも見えない。だからこそ、人間は自分の選択や行為に意味があると信じて生きていけるんじゃないか。」と結んでいる。
 

いつもすらっと読みとおしているコーナーに、今日は少しひっかかった。図書館から借りてきた、福島智『ぼくの命は言葉とともにある』を読み始めているからかもしれない。「9歳で失明18歳で聴力を失ったぼくが東大教授となり、考えたこと」という副題がついている。本書を読みながら、自分に与えられた環境の中で謙虚に生きていくことの大切さを実感する。まず命ありき、才能も努力も、命の次に来るもろもろの事柄のひとつにすぎない。

画像は、「芙蓉」。大好きな花が住まいの眼の前の庭にあったのにはじめて気が付いた。


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