私の日常

毎日の生活で印象に残った出来事を記録しておきたい。

路傍の石

2013-09-27 18:21:11 | 日記
Sepyember 27, 2013

ブログの更新が、気になりながら遅れがちな昨今だ。1日おきぐらいに点訳関係の勉強会や例会などで東京まで出かけていると、心に余裕がなくなってしまう。気をつけなければ。さて今日は、表題にした「路傍の石」という言葉がふと頭に浮かんだ。子供の頃誰もが1度は読んだことがある山本有三の小説の題名でもある。思いがけず70歳を過ぎてから、 点訳を通して沢山の未知の方と接することが多い日常だ。そしてこの言葉である。人は、私を含めて、路傍の石にはなれない、いやなる必要はない。それぞれの人が自分の個性を発揮していけばいいのだから。しかし狭い世界に生きてきて突然大勢の人の中に入ると、驚くことも多い、そして、自分のことは棚に上げて、ああ人はなぜ路傍の石でいられないのかと思ったりもする。

今日も勉強会に出かけて帰宅し、朝日新聞の夕刊を開き、夕刊の中で一番楽しみにしている「人生の贈りもの」という欄に目を通す。以前取り上げたかもしれないが、色々な分野で活躍されてきた65歳以上の方々に、それぞれの過ごされてきた人生について、おひとり4回ほどに分けて連載しているインタビュー記事だ。 今回は、今日で最終回だが、経済学者の橘木俊詔さんが登場している。最初の回からそのご意見に共感をもってはいたが、今日の記事のなかにあった、近著『「幸せ」の経済学』について、「なぜ幸せをテーマに」という聞き手の質問への答えがとてもよかった。橘木氏の言葉を次に引用させてもらう。

 日本人は経済成長しなければいけないという強迫観念を抱き、経済成長すれば幸せになれると信じている。そんな考えへのアンチテーゼです。ゼロ成長でいいじゃないかと。人が幸せを感じるのは経済成長に対してではなく、家族の絆とか、仕事が楽しいとか、余暇を楽しむとか、むしろ経済以外の豊かさです。経済成長を最大の目標に政策を運営する必要はない。ゼロ成長なら原発も徐々に止められる、というのが私の主張です。(朝日新聞、2013年9月27日)

「読書会」を続けていたら早速テーマにしたいような本だ。図書館に予約して読んでみよう。 岩波現代全書で1785円だそうだ。ちょっと難しいかな。横道にそれたが、橘木氏が言われる成長を超えた「幸せ」は、「路傍の石」に通じるのではないか、路傍の石である必要はないと豪語してみたが、この記事を読んで、やはり意を強くして「路傍の石」に徹する人生でいいのだと思いなおした。単純な人だとお笑いください。

画像は、友人のメールから、お庭に咲く「彼岸花」。毎年載せさせてもらっているが、今回はアングルがちがうので違った風情だ。これが写真の面白さなのだろう。