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ぽかぽか春庭「ピアノコンサート in 練馬区美術館」

2023-07-29 00:00:01 | エッセイ、コラム


20230729
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2023文日記夏(1)ピアノコンサート in 練馬区美術館

 練馬区美術館には何度か来ているので、ロビーに古いピアノがおいてあるのは目にしていました。
 今回、「植物と歩く展の関連イベントとして、ピアノコンサートが開かれ、ピアノの音色を聞くことができました。スタインウェイ社1877年製造のスクエアピアノ。鍵盤の象牙はやや黄ばんでいるのは百年の重み。音色はとても豊かで、美術館ロビーは、最初から意図してそうしたのか、2階まで吹き抜けの空間でよく響きました。 

 ピアニスト守重結加は、練馬区出身。若くかわいらしい方でした。
 プログラムは、シューマンとシベリウス。森や植物とかかわるタイトルの曲が全部で18曲。60分。
 プログラムの曲は、変更がありました。守重さんは「すみません、3曲ぬかして演奏してしまいましたので、曲順いれかえます」と。
 演奏順。
・シューマン「森の情景」1森の入口 2志部実乃中で獲物を待ち受ける狩人 3孤独の花
・シベリウス「花の組曲」1ヒヤシンス 2カーネーション 3アイリス
・シューマン(クララ・シューマン編曲)ミルテの花より「献呈」
・シベリウス「樹の組曲」1ピヒラヤの花咲くさくとき 2白樺 3もみの木
・シベリウス「村の教会」「森の湖」
・シューマン「トロイメライ」
・シューマン「森の情景」7予言の鳥
 このあと、曲順入れ替えのアナウンスあり
・シューマン「森の情景」4気味の悪い場所 5親しみのある情景 6宿 8狩の歌 9別れ

 演奏の順番が入れ替わっていても気づかない人が大半の聴衆なので、全部ひき終わってからなんでもないように「途中、プログラムの順序と異なる演奏順になりましたので、もう一度曲名を申し上げます」とか、普通の顔して言えばすんじゃうところなのに、守重さんは演奏順をすっとばしたことを素直に謝っていました。とても初々しい感じ。

 プログラムの中、シベリウスの「ピヒラヤの花咲くとき」という曲、ピ比ヤラとはどんな植物なのかな、と思いました。曲の解説でも言及はなかったので、コンサート終了後に調べてみたら、ピヒヤラとはフィンランド語でナナカマドのことでした。

リハーサル時


 アンコールは、守重さんが「みなさん、今日、聞けてラッキーです」という説明のあった、『日本の旋律』。フォン・シーボルト採譜ヨーゼフ・キュフナー(Joseph Kuffner 1776~1856)編曲の、200年前の日本各地で採譜された曲です。シーボルトが持ち帰った楽譜をキュフナーがアレンジしたものがのこされていて、今回学芸員さんが探し出したとのこと。

 第2曲は「かっぽれ」というタイトルだということですが、第1から7曲まで、どれも日本のメロディには感じられませんでした。しかし、このシーボルト採譜の曲は西欧社会に日本の音楽が紹介された記念すべき最初のもの。
 シーボルトが日本の植物だけでなく、わらじから団扇から、なんでも集めて西洋に紹介したことは知っていましたが、音楽まで紹介していたとは知りませんでした。

 シーボルトが1823年に初来日したときにピアノを長崎に持ち込んだ故事により、7月6日は「ピアノの日」と定められらのだそう。日本にピアノがお目見えして200年。山口県萩の熊谷美術館にこのピアノが保存されているそうです。

 シーボルト採譜の「日本の旋律」はじめて聞いたし、今後も聞く機会があるかどうか。守重さんが解説したように「みなさん、今日聞けてラッキーです」のアンコールでした。

 練馬区美術館の1877年製ピアノ、活用されています。
・2016年「没後50年〝日本のルソー”横井弘三の世界展」記念コンサート、ピアノとソプラノ  
・2019年「「ラリック・エレガンス 宝飾とガラスのモダニティ-ユニマットコレクション-」展ピアノとヴァイオリン」
・2020年「「日本・ポーランド国交樹立100周年記念 ショパン―200年の肖像」展」ショパンのコンサート
・2022年「日本の中のマネ」展。ピアノとヴァイオリン

と、毎年ではないようですが、練馬区在住の演奏家を中心にしてロビーのピアノを活用して美術館コンサートが開催されていました。チェックが足りず、これまでのピアノコンサートを聞きのがしていたのが、残念。
 今回は、「植物と歩く」鑑賞券とピアノコンサート込みで1000円です。「無料」と「格安」が大好きなHAL、次は見逃さないように。
 帰りに中村橋エミオの店で「牛焼き肉弁当半額」を買って、帰宅後食べました。

<つづく>
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