孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

子供の夢は壊されたか?

2016年03月16日 | 社会観察
今朝の新聞も元巨人の投手たちの野球賭博の記事がたくさん載っていたが、朝の忙しい時間にはとても読みきれなかった。

清原容疑者の初公判のことも見出しにあったが、こういう野球の不祥事はいずれまた何か大きな殺人事件でも起きれば、次第に話題にはのぼらず、あと三月(みつき)もすれば、「ああ、そんなこともあったねえ・・」ということになるに決っている。



それはそうだろう。新聞社もスポンサー各社もテレビ局も、「野球」は大事な飯の種なのである。こんなことで野球人気が低迷するとなっては、「経済損失」が大きくて、景気を左右することにもなりかねない。

テレビの解説者の中には、「そんなことを言えば、宝くじだって賭博でしょ?」などと言う方も出てきた。「世の中、正義の味方ばっかり見たいで・・・」と皮肉っていた。

朝刊一面に小さな記事で、「子供の夢壊すな」という見出しで、一連の出来事について自民党の菅長官が注文を付けた、と書かれていた。

曰く、「金品のやりとりは、誤解を招きかねない」と指摘して、「プロ野球選手は多くの子供たちの憧れの的であり、子供たちの夢を壊す行為は絶対にあってはならない。」



当然、子供たちといえども一連の不祥事は知ることになっただろうが、果たして彼らは、その事実を知ったとき、「夢を壊された」と感ずるだろうか?

そこが肝心なことではなかろうか。



子供たちだけではない。彼らの父兄や地域の少年野球贔屓の高齢者たち。あるいは、どこにもきっといるであろう、別に仕事を持ちながら、ボランティアで野球を指導するような方々。

はたまた、野球部監督が教師も兼ねるのか、教師が野球部監督を兼ねるのかよく分からないが、日々学校で部活動の指導をする監督さんたち。



こういう方々が、今回の不祥事を子供たちにどう説明して、どのように倫理的に指導されるのか、そこに子供たちが将来立派な「侍」や「紳士」になれるのかが係っているのではないか。

昔は「黒い霧事件」という野球界のスキャンダルがあった。その後も不祥事や眉をひそめたくなるようなスキャンダルは後を絶たないのが現実だ。

「夢が壊された!」と素直に感ずることのできる子供たちの育成は、責任重大であると思う。

発想を変えるということ

2016年03月16日 | 外国ネタ
マニラに赴任しているとき、工場のフィリピン人幹部が言っていた。

「この会社に入る前、アメリカのある会社を受けたのだが、その時の面接で聞かれた質問には困りました。」

「どんなことを聞かれたのか。」と訊くと、その面接官の質問は、「雨季になるとマニラの街は水浸しになるが、君ならこれをどう解決しますか?」というものだったそうだ。



排水に問題があるのか、降る雨が多すぎるのか、確かに少し大雨が続くと、マニラや近郊の街は水害に悩まされるのである。

そのたびに工場の従業員は通勤手段がなくなったり、避難したりで欠勤者が増えて生産にも支障をきたしたものだった。

フィリピン人幹部は面接官の質問に困ったと言うが、質問はなかなか興味深いものだと思った。つまり、即答できるわけがない質問をすることで、その人の発想力とか創造性を確かめることが出来そうだからである。

人とは違う発想ができる人は時々身近にもいるもので、意外なものの見方で言われてハッとするときがある。

例えて言えば、円錐を横から見ると、先のとがった三角形に見えるが、真上から見たら円に見えるようなもので、見方によってはとんでもない違いが生じることがあるのだ。



中学生の頃だったと思うが、『頭の体操』という本が友達の間で、話題になった。単なるクイズでもないし、なぞなぞでもないし、分かりそうで分からない問題がたくさん載っていて、みんなで考えたものだった。

その本の著者は多湖輝さんで、今月6日に他界したとニュースで知った。90歳だったそうだ。

どんな問題があったかなあ・・と、思い出そうとしたのだが、具体的には思い出せなかったのがくやしい。あれほど、当時夢中になって考えたものだったが、今となっては思い出せないのも不思議なものだ。

なぜか、あの本に紹介されていた『だまし絵』というか、『トリックアート』というかそんなことは、覚えている。

上の方を手のひらで隠すと、柱が3本に見えるのに、手のひらを下にずらすと柱が2本になってしまう絵である。



他にも階段の絵があって、登っても登っても永遠にぐるぐる登り続けるようにしかみえない絵もあったような気がする。

  こんな感じだった。

当時、次々に出版された『頭の体操』を買って、問題を出しては解説してくれた友人がいたが、ちょっと奇人変人の部類でとっつき難かったが、彼は天才肌だったので、非常に興味深かった。

一体、今どこで何をしているのやら。

世の中の経営者たちは、ちょっと前ドラッガーの真似をして、やたらとイノベーションという言葉を連発したものだが、所詮彼らが言っていたイノベーションは、トヨタの「カイゼン」に毛の生えたようなことで、それほど簡単にできるものではないということが、今はよく分かる。

しかし、「発想の転換」というのは、それほど簡単に出来るものではないところが、また挑戦し甲斐のあることでもある。